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[MOM1361]G大阪ユースMF市丸瑞希(3年)_注目の頭脳派司令塔、トップ経験して詰めた一歩の差

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[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[4.12 高円宮杯プレミアリーグWEST第1節 G大阪ユース 4-1 名古屋U18 万博記念競技場]

 中盤でボールを奪い取り、ゲームメーク、ラストパスでも存在感を放ったガンバ大阪ユースの背番号7。注目司令塔、MF市丸瑞希主将(3年)が難敵・名古屋U18に4発快勝する原動力となった。

 正確なボールコントロールとほぼ狂うことのないショートパス。顔を上げて常に視野を確保しながら攻撃を組み立てるMFは世代トップレベルのゲームメーカーだ。この日もサポートよくボールに絡むと、ショートパスと左右への展開で攻撃をコントロール。そして後半にはPAへのスルーパスを通して決定機を演出する。また、混戦を一瞬で決定機に変えてしまうようなPAへのループパスを通すなどアイディアと高い技術を見せつけた。
 
 加えて、この日光ったのは守備面だ。前線からハードワークしてくれる仲間たちの動きを支えに中盤で狙いすましたインターセプト。相手の足元にボールが入っても、これまでは見せなかったような非常に厳しいチェックでボールを強引に奪い取って攻撃に変えてしまうシーンが何度もあった。「トップのキャンプへ行ってちょっと変わったかな。(トップチームの)井手口(陽介)の派手さはないですけど頭使ってやっている」と梅津博徳監督。以前はアプローチを寄せきれずに、ボランチのところで剥がされてしまうシーンもあったという。だが、今年はここでボールが獲り切れてしまう。MF岩本和希との連係も良く、ボランチの守備はG大阪の攻撃回数を間違いなく増加させていた。

「去年までは一歩寄せれないところがあった。トップを経験して一歩の差を感じたのでそこは意識しています。(きょうに関しては)そこは練習の成果が出たかなと思います。中盤を支配出来たら試合も自分たちのペースで出来る。それはこれからも続けて行きたい」。13日から始まったU-18日本代表候補合宿には意外にも招集されていないが、守備面の向上は彼の今後に向けても間違いなく大きい。本人はよりトップチームで通用するレベルに自身を引き上げて、昨年ベンチ入りを経験しているトップチームに今年絡んでいくことを目指す。

「まだまだゴールに関わることが少ない。ミドルシュートの質がまだ低いし、ラストパスだったり、そこでもっと質を高くしていかないとトップに上がった時に通用しない。トップで言えば、遠藤選手はゴール前にいつも顔出している印象がある。それを目指してどうやってゴール前に行くのかはボクの中でも課題です。次、どこにボールが行くのかという予測が遠藤選手は一つ二つ抜けていると思う。予測がまだまだボクは足りない」。

 G大阪ユースの7番もユース年代の試合では、頭をフル回転させて先を読んで相手の攻撃の芽を摘み、攻撃では急所を突くようなパスを通して違いを生み出している。それでも、昨季の3冠王者であるトップチームに食い込んで行くためにはやらなければならないことがたくさんあると感じている。「チャンスがあればどんどん自分の良さを出して行けたらなと思っている」というチャンスを掴むため、今はプレミアリーグの舞台でチームを勝たせる力になり続ける。

(取材・文 吉田太郎)
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