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[プレミアリーグEAST]市立船橋、フランス遠征の課題生かして札幌U-18に勝利

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[4.12 高円宮杯プレミアリーグEAST第1節 市立船橋高 1-0 札幌U-18 味スタ西]

 要所を締める、市立船橋らしい勝ち方だった。高円宮杯U-18サッカーリーグプレミアリーグEAST第1節は12日に第2日を行い、味の素スタジアム西競技場で行われた第1試合では、市立船橋高(千葉)が1-0でコンサドーレ札幌U-18(北海道)を下した。

 市立船橋は、中盤の底にダブルボランチを据えた4-3-3、札幌U-18は、2年生レフティーの菅大輝徳田勘太が前線で2トップを組む4-4-2で試合をスタートした。序盤から押し込んだのは市立船橋だったが、攻撃が中央突破に偏り、なかなか決定機を作り出せなかった。一方の札幌U-18は、前半24分にMF杉山雄太が絶妙なループパスを前線に送り、抜け出したMF久保田成悟がPA内で倒される決定的なシーンがあったが、判定はノーファウルだった。市立船橋が押し込み、前半の終わりごろには立て続けにセットプレーで襲い掛かったが得点は生まれず、前半は0-0で折り返した。

 後半に入ると、札幌は中央の守備を強化。四方田修平監督は「前半、守備陣は頑張っていたけど怖い部分はあったので、相手の前線の選手に前を向いてやられないように意識させた。それで、相手も攻めあぐねてきた感じがあった。良い形でボールを奪って杉山、菅というところで決まっていれば良かったのだけど……」と狙いを話した。

 一方の市立船橋は、中央突破へのこだわりから徐々に変化。右の真瀬拓海、左の古屋誠志郎の両SBが攻撃参加を繰り返し、サイド攻撃で好機を演出した。後半22分、中央から右へと展開し、前半途中から投入されたMF工藤友暉が右足でクロスを送ると、ボールは、それまで冷静に対応していた札幌U-18の1年生GK櫻庭立樹の頭上を越えてゴールネットを揺らした。サイドからドリブル突破などで存在感を示していた工藤は「強いボールを送ろうと思ったけど、弱くなってしまった。蹴った瞬間はダメかなと思ったけど、ゴールを見たら入っていた」と、意表を突いた“シュータリング”による決勝点を振り返った。

 札幌U-18は、後半27分に左DF本塚聖也のアーリークロスに菅がヘディングで合わせるなど反撃を見せ始めたが、市立船橋は主将を務めるボランチの椎橋慧也が「前からハメろ」と声をかけて、守備の圧力を強化。相手のペースになりかける場面で手綱を締め、1-0できっちりと勝ち切った。

 前半から大きなリスクを負わずに攻撃を展開したことや、得点後の椎橋の判断には昨季、そして今年3月末のフランス遠征の反省が影響していた。椎橋は「前半で決めないと苦しい展開になるのは分かっていた。でも、慌てるなと声を掛け合ってプレーできた。フランス遠征では、海外のチームを劣勢に追い込んでも(隙が生まれて)逆転負けした。今日は、相手に勝ち点を与えない戦い方でリスクを負わずに強かに1点を取ることができて良かった。得点後は、守りに入るとやられる。(総体、選手権でともに2点リードから逆転負けした)昨年の反省は、みんなが理解している」と手ごたえを語った。

 開幕戦は戦い方を統一するのが難しいものだが、見事なゲームコントロールを見せた市立船橋。朝岡隆蔵監督が「今年は残り3節の時点で優勝争いに加わることが目標」と話す目標に向け、まずは好スタートを切った。

(取材・文 平野貴也)
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