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[SBS杯]フィニッシュに課題残すも・・・キャプテンのゴールで追いついたU-18日本代表がPK戦でスペイン下す

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[8.13 SBS杯国際ユースサッカー第1節 U-18日本代表 1-1(PK6-5)U-18スペイン代表 藤枝総合]

 8月13日、SBSカップ国際ユース大会が開幕。U-18日本代表は、「この年代の世界最高峰の一つ」(内山篤監督)と位置付けるU-18スペイン代表と対戦した。

「スペインいうだけでモチベーションが上がる」(MF堂安律、G大阪ユース)というあこがれのユニフォームを前にして、日本イレブンは序盤から積極果敢なプレーを見せる。岸本武流(C大阪U-18)、小川航基(桐光学園高)の2トップが前線から相手を追い込んでポゼッションを阻害し、相手に自由なパス回しを許さない。スペインもGKを使って日本のプレスをいなしてはいたが、「怖いポゼッションではなかった」(小川)というように、相手の強みは出させなかった。

 一方、日本の弱みも出てしまった。15分にMF三好康児(川崎F)のパスを受けた岸本がほぼフリーでシュートを放つが、枠外。続く17分にも岸本のシュートがポストを叩く。さらに27分に今度は岸本のクロスからMF久保田和音(鹿島)がダイビングヘッド、さらに29分にもまたも岸本が決定的なシュートを放ったが、いずれもGKウナイ・シモン(ビルバオ)の好守に阻まれてしまった。「フィニッシュのところ、そこは課題」。内山監督が端的に指摘したとおり、攻守の高い連動性を見せて内容的に上回った前半を、0-0で終えてしまった。

 こうなると、反対側にゴールが入ってしまうのがサッカーというもの。後半22分、「あれはやっちゃいけない」とMF坂井大将(大分)が悔やんだ失点が生まれる。発端は自陣でのボールロスト。そこから素早く回されてサイドを変えられる形で右SBのダビッド・カルモナ(セビージャ)に突破を許し、マイナスのクロスがグラウンダーで上がる。これに合わせたのは後半からポジションを上げていた10番、MFアレックス・ガルシア(ビジャレアル)。しっかりミートしたシュートがゴールネットを揺らし、スペインに先制点が生まれた。

 ただ、これで試合のペースがひっくり返ることはなかった。「今日良かった点というのは本当に少ない。試合への準備が不足していた」とルイス・デ・ラ・フエンテ監督が言ったように、日本独特の湿気と時差ボケからスペインのコンディションは悪く、終盤にかけてそれはより顕著になったからだ。

 そして27分、早くも同点ゴールが生まれる。途中出場のFW一美和成(大津高)をクサビに使う攻めからMF高木彰人(G大阪ユース)が抜け出してシュート。これはGKに当たったが、こぼれ球を坂井が体ごとプッシュ。決めた直後にゴールポストへ大激突して悶絶する根性のゴールが決まって、日本が追い付く。「キャプテンを任されているので」。そう語った男の気持ちが前面に出たナイスゴールだった。

 以降も日本は共に途中出場の一美のパワフルなプレー、佐々木匠(仙台ユース)のドリブルなどを起点にスペインゴールへ迫る。39分には高木のシュートがGKを襲い、さらにアディショナルタイムには二つの決定機。DF藤谷壮(神戸U-18)のクロスから「あれは絶対に決めないと」と坂井が悔やむシュートが枠外へそれ、DF浦田樹(千葉)の絶妙なクロスから一美がヘッドで合わせたシュートはGK正面に飛んでしまった。

 結局、スコアは1-1のまま動かず。迎えたPK戦は5番手までが互いに成功し合う拮抗の展開となった。日本のGKはPK戦の強さに定評のある廣末陸(青森山田高)だが、完全に出し抜かれたようなキックを決められ続けていた。「スペインは蹴り方が独特の選手が多かった。助走の初速と最後の速度が違っていて、こちらが跳ぼうと思ったときはまだ助走のところで、うまくタイミングを外されてしまった」と言う。ただ、最後のキッカーは「素直に蹴ってくれた」ということでタイミングもばっちり。きっちり止めて、日本の6番手・高木は成功。PK戦という形ながら日本がスペインを下し、1位でのスタートを切った。

(取材・文 川端暁彦)

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