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[国体少年男子]Jスカウト陣も高評価、福岡県の10番・福田が奪い取る守備でも存在感

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[10.1 国体少年男子決勝 神奈川県 0-0 福岡県 上富田スポーツセンター球技場]

 日本一を懸けた決勝でも一際存在感を発揮していた福岡県の10番、MF福田湧矢(東福岡高1年)がMVP級の活躍で福岡県の初優勝に貢献した。

 今大会、ピッチの至るところで発揮していたキープ力と判断速いパスで福岡の攻撃の中心となっていた福田は愛知県戦、石川県戦で貴重な決勝ゴール。その10番は決勝で守備能力の高さも披露した。「目を見て相手の出すところを予測して一発でインターセプトできれば」という予測と素晴らしいアプローチスピードで相手選手との距離を詰めてインターセプト。「練習とかでも結構言われていて、自分がもっと行ったら取れるんじゃないかと思っていた。今大会は前に出ていきました」という言葉通りに意識していたボールを奪う守備でも目立つ存在になっていた。

 延長後半3分には相手MFの決定的なヘディングシュートをゴールライン上でスーパークリア。神奈川の強力攻撃陣を無得点に抑える立て役者のひとりとなった。加えて攻撃面でも神奈川の選手の厳しいチェックの中でボールを失わず。強烈なミドルシュートを枠に飛ばした。雨中で不用意なミスパスが数度あったことを「イージーなところでパスミスがあった。そこをちゃんとつなげていたら点が取れていた」と反省し、また延長前半終了間際に迎えた決定的な左足シュートを外して「勝負強さがまだまだ全然ダメだった」と首を振る。それでも視察したJクラブのスカウトが「この中でこれだけできたらいいでしょう」と賞賛していた攻守。1年生ながら名門・東福岡で先発に絡んでいる注目株は国体でその存在を強烈にアピールした。それでも、現状に満足しないMFは「誰からも信頼されて、苦しい時にも点決める頼もしい存在になりたい」と誓う。

「90分でも、延長戦でも、最後までどのチームよりも声出して走り切るところがあった」という福岡のチームメートたちと勝ち取った国体優勝。「最高のチームで、最高の舞台で、優勝という形で終われたので良かったです」と笑みを見せた。これで福田は全5試合で交代出場した全国高校総体に続く全国制覇。自信をつけた福田はこれから迎える東福岡の先輩たちとのレギュラー争いを「楽しみです」と語り、「選手権に切り替えて選手権でも優勝できるようにしたい」と意気込んだ。国体の主役のひとりが、次は冬に輝く。

(取材・文 吉田太郎)
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