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[新人戦]注目FW上田2発!鹿島学園が水戸商との名門対決制す

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[1.23 茨城県新人戦準決勝 鹿島学園高 2-1 水戸商高 鹿島ハイツ]

 平成27年度茨城県高校サッカー新人大会は23日午前に準決勝と決勝を行い、鹿島学園高水戸商高との準決勝はFW上田綺世(2年)の2得点によって鹿島学園が2-1で競り勝った。

 前半、相手のミスに乗じて注目エースFW上田が先制ゴールを奪った鹿島学園に対し、水戸商は後半5分にSB篠原貫太(2年)の左クロスのこぼれ球をFW小野寺遼(1年)が左足シュート。そして10分にはロングボールを処理した相手の隙を狙っていた小野寺がバックパスを奪い、そのままGKをかわして左足シュートをゴールへ流し込んだ。

 だが、鹿島学園は高速ドリブルでDFを振り切る180cmFW上田と、前線でのキープ力とボール捌き光るFW米谷力(2年)との2トップを中心とした攻撃によって流れを引き寄せる。そして、上田が「水戸商はサイド攻撃でSBが上がってきていたので、そのウラを狙ったりしていました」と振り返ったように、オープンスペースへ巧みにボールを運んででラストパスへ持ち込む鹿島学園は16分には上田がドリブルで単騎持ち上がり、最後は米谷が決定的な右足シュート。そして17分、中央から右サイドへ展開すると、MF岡部知紘(2年)とのコンビネーションから右サイドを抜けだしたSB滝本柊平(2年)のクロスを上田が頭でねじ込んで勝ち越した。

 その後もサイドの深い位置までボールを運ぶ鹿島学園は守備面でも小柄なCB片倉誠也(2年)やCB塩野清雅主将(2年)中心に、水戸商のスピードある攻撃を封じていく。水戸商は右の10番MF谷田部晶主将(2年)がポイントになりながら反撃し、29分には谷田部との連係から一気にPAまで切れ込んだCB信田晃希(2年)が右足シュート。終盤には交代出場の右SB袴塚孝太(2年)のロングスローも交えて同点ゴールを狙ったが、鹿島学園が2-1で逃げ切った。

 茨城名門対決を制した鹿島学園が決勝進出。04年からの9年間で7度選手権に出場している鹿島学園だが、ここ3年は選手権の全国舞台から遠ざかっている。今年は決して個々の力で相手を圧倒するようなチームではないが、それでも最終ライン中心に良く声が出て、鈴木雅人監督も「『前向きに頑張って行こう』というところで反応してくれる」と評するようにひたむきに頑張ることができるチームだ。そして鋭いサイドアタックと、注目エースFW上田という存在もある。だが、まずは自分たちがやるべきこと、ハードワークを徹底すること。塩野が「球際の厳しさだったり、戦うという気持ちは出ている。ひたむきに、チーム全員が勝ちに貪欲になってタイトルを目指していきたい」という鹿島学園が明秀日立高との決勝(23日午後)へ進出した。

(取材・文 吉田太郎)

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