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[UAチャレンジカップ]「引っ張っていける選手を増やそう」明秀日立が前年優勝の韓国・彦南破り、決勝進出!

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[3.24 アンダーアーマーチャレンジカップ準決勝 彦南高 1-1(PK6-7)明秀日立高 富士緑の休暇村]

 日韓の強豪8校が真剣勝負で成長を目指すと同時に、栄養講習会やリカバリー講習会を通して体作りの知識などを身につけている「アンダーアーマーチャレンジカップ2016 SPRING」は24日午後に準決勝を行い、明秀日立高(茨城)が1-1で突入したPK戦の末、前年優勝の彦南高(韓国)に勝利。25日の決勝へ駒を進めた。

 明秀日立が8人目までもつれ込んだPK戦を制して13年夏のアンダーアーマーチャレンジカップ以来となる優勝に王手を懸けた。彦南のPK戦1人目をGK鈴木翼(2年)がいきなりストップ。CB黒宮渉(2年)、左SB岩谷拓汰(1年)、MF武藤淳主将(2年)、FW岡本和馬(2年)と4人連続で成功した明秀日立は決めれば勝利の決まる5人目・右SB伊里隼人(1年)のシュートがポストを弾いてしまったが、続くMF松永健太(2年)、MF篠崎圭人(1年)が冷静にコースへシュートを沈める。すると8人目に彦南がフィールドプレーヤーのCBイ・ジソルをGKに起用する奇策を採用。それでも、MF柚木寛明(2年)が右隅に決めた明秀日立は直後に鈴木がMFイ・ソクジュのシュートを右に跳んで止めて熱戦に決着をつけた。

 今大会、明秀日立は登録の20選手をローテーションしながら起用。2チーム分の選手たちが高いレベルの試合の中で経験を積みながら結果も4連勝と、いい形で大会を進めてきている。この日は前半17分、10番MF小磯克文(2年)のスルーパスからFW石川皐己(2年)が右足で先制ゴール。その後、彦南のMFイ・サンジンに左足シュートを叩きこまれて同点に追いつかれたが、後半、怪我明けの主軸MF大野拓朗(2年)やMF前川翔梧(2年)、小磯が交代する中でも代わった選手たちが懸命なプレーを見せて勝ち越し点を許さない。

 チャンスの数こそ少なかったが、CB有金理久(2年)や黒宮が高さを発揮するなど守り切ってPK戦勝利に繋げた。PK2本を止めてヒーローになった鈴木は「最初に点取れたことが感謝しないといけないこと。あとDFラインが大会通じて成長している。フィールドの人に助けられた」と感謝。チーム全員で決勝の切符を勝ち取った。

 昨年は3年ぶりとなる全国高校総体出場を果たすと、全国高校選手権にも初出場。茨城北部の新鋭は初陣で三重の名門・四日市中央工高を破って見せた。新チームは新人戦で準優勝し、今大会でも決勝進出するなど高いレベルを維持しているが、萬場努監督は「選手権に出ていた選手と他の選手との差がある」と指摘する。厳しい戦いを実際に経験してきた選手と新チームになってから出場機会を得ている選手たちの差。鈴木が「怒られたり、指導された時に(意識、モチベーションの)上がるのが選手一人一人の温度差がある。最近では『引っ張っていける人を増やそう』という話をしている」と説明したように、「引っ張っていける人」を増やして、より高い意識を持って日々成長を目指す。アンダーアーマーチャレンジカップはラスト1日。秋田商高との決勝を制して、シーズンの本格的な開幕に繋げる。

(取材・文 吉田太郎)
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