[ミズノカップIN香川]内容有り、また先のことも想定して獲った「意義のある」優勝!広島観音が春のミズノカップ制覇!
[3.31 ミズノカップIN香川決勝 香川西高 0-2 広島観音高 香川県総合運動公園サッカー・ラグビー場]
全国の強豪16チームが参加した第4回ミズノカップU-18 IN うどん県(香川)2016は31日午後、香川県総合運動公園サッカー・ラグビー場で決勝戦を行った。開催県である香川の名門・香川西高と全国総体優勝経験を持つ広島観音高との対戦となった決勝は広島観音がエースFW神車凱海(新3年)と10番MF森重輝(新3年)のゴールによって2-0で勝利。ミズノカップIN香川初優勝を飾った。
昨年、総体予選、選手権予選でいずれも準優勝に終わっている広島観音にとっては意義のある優勝だった。タイトルを狙って大会に臨んで勝ち取ったことはもちろん、内田仁監督が「ボールを動かして運んで、狭いエリアをこじ開けて、ダメだったらサイドを使って、DFからも持ち上がってボランチを使ってという部分がある程度できた」と語ったように、どの試合でもボールを動かして攻める“広島観音らしい”部分を表現し続けた。
レベルの高いサッカーで頂点へ駆け上がったが、チームに意識を植え付ける部分でも価値のある優勝となった。広島観音は予選リーグで2度の警告を受けたエースFW神車を準決勝で起用せず。大会ルール上では警告が累積されなかったため、準決勝への出場は可能だったが、広島観音は今後行われる県、全国大会のトーナメント戦を想定し、また安易に警告を受けるプレーをなくすために神車をメンバーから外し、そのなかで飛龍高に3-0で勝利。「チームに迷惑をかけてしまったのでここで取り返そうという思い」で決勝を戦った神車が鮮やかな先制点を叩き出したが、累積警告や負傷者が出ることを想定して帯同した全17人を起用した中で狙い通りに勝ち上がるなど、内田監督も「この大会の優勝は私たちには意義があった」と評する会心のタイトル奪取となった。
今大会ともに4連勝で勝ち上がってきた両校のファイナル。4-4-2システムの香川西はGK近藤雅紀(新3年)、4バックは右から坂東宥吾(新2年)、蟹田悠平(新3年)、飛田竣吾(新3年)、白石圭吾(新1年)。中盤は砂川萌(新3年)と古田哲平(新3年)のダブルボランチで注目の両翼は左MF本田功輝(新2年)、右MF西村宙(新2年)。そして2トップは西山颯人(新3年)とU-16日本代表FW高木慎也(新2年)が入った。
一方、4-5-1システムの広島観音はGK桜井亮吾(新3年)、CB芝田大輝(新3年)を負傷で欠く4バックは右から山田友貴(新3年)、松長潤(新3年)、原田涼平(新2年)、玉井玲央(新3年)。中盤は永江優介主将(新3年)と米広達哉(新3年)のダブルボランチでトップ下が森重。右MF吉形淳之介(新3年)、左MF新見俊樹(新3年)、1トップは神車が務めた。
前半5分、まずは香川西注目の本田が魅せる。相手DFとの1対1を完全に制して左サイドを打開すると、そのラストパスをニアで西山が合わせた。対して広島観音は13分、神車が抜け出すが、GKの股間を狙ったシュートは近藤にセーブされてしまう。香川西は砂川の大きな展開から本田が仕掛け、また右の西村からもクロスがPAへ入る。対して広島観音は正確にボールを繋ぐと神車の抜け出しや、両翼の吉形と新見、永江の仕掛け、また米広のミドルシュートなどで攻め、横への揺さぶりからSB山田のシュート性クロスがゴール前を横切るシーンもあった。
スコアが動いたのは27分だった。広島観音は吉形のループパスで抜けだした神車がGKを狭い右側からかわすとそのままニアサイドへ先制ゴールを流し込む。エース神車の鮮やかな一撃でリードを奪った広島観音に対し、香川西も西山が左サイドを抜け出して一気にPAへ切れ込むシーンがあったが、広島観音DF陣のカバーリングにあってシュートまで持ち込むことができない。
すると、後半3分、広島観音は左スローインから森重が右足のドライブシュート。これは香川西GK近藤がファインセーブでCKに逃れたが、続くCKを新見が蹴りこむと香川西守備陣に痛恨のクリアミス。ゴール前にこぼれたボールを広島観音MF森重が頭で押し込んで2-0とした。香川西はDF浪越清晴(新2年)、DF渡部彰久(新3年)を投入して迎えた27分、スペースへ飛び出した高木がPA付近で相手選手と交錯するもノーファールの判定で得点には至らない。さらに31分には高木のヒールパスから西村が右クロス。これに本田が飛び込んだが、山田にブロックされてしまう。広島観音は今大会活躍の光ったFW沼田和真(新3年)を終盤に投入。3点目を奪うことはできなかったが、2-0で待望の頂点に立った。
今年は全国高校総体が広島県で開催される。広島観音にとっては全国出場、日本一を狙う総体の予選へ向けて弾みをつけるタイトル奪取となった。その中で見えた課題について内田監督は「やっぱり失点ですね。きょうは大丈夫やったけれど、攻めていてカウンターで取られてしまう。あと、2-0から追いつかれることもあるので、先制、追加、ダメ押しをしっかりしたい」と語り、神車も「チームとして2点目は簡単に取れるんですけど3点目が取れない。先制、追加点、そしてダメ押しの部分。相手を突き放す一本、2-0から3-0にできる力をつけていきたい」と誓った。
そして森重は「まず、今すぐあるのは総体なので、決勝で勝って日本一取れるように頑張りたい。(まずは全国に)絶対に出たいです」。意義のある優勝を今後の飛躍に繋げる。
(取材・文 吉田太郎)
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第4回ミズノカップU-18 IN うどん県(香川)2016特集ページ
全国の強豪16チームが参加した第4回ミズノカップU-18 IN うどん県(香川)2016は31日午後、香川県総合運動公園サッカー・ラグビー場で決勝戦を行った。開催県である香川の名門・香川西高と全国総体優勝経験を持つ広島観音高との対戦となった決勝は広島観音がエースFW神車凱海(新3年)と10番MF森重輝(新3年)のゴールによって2-0で勝利。ミズノカップIN香川初優勝を飾った。
昨年、総体予選、選手権予選でいずれも準優勝に終わっている広島観音にとっては意義のある優勝だった。タイトルを狙って大会に臨んで勝ち取ったことはもちろん、内田仁監督が「ボールを動かして運んで、狭いエリアをこじ開けて、ダメだったらサイドを使って、DFからも持ち上がってボランチを使ってという部分がある程度できた」と語ったように、どの試合でもボールを動かして攻める“広島観音らしい”部分を表現し続けた。
レベルの高いサッカーで頂点へ駆け上がったが、チームに意識を植え付ける部分でも価値のある優勝となった。広島観音は予選リーグで2度の警告を受けたエースFW神車を準決勝で起用せず。大会ルール上では警告が累積されなかったため、準決勝への出場は可能だったが、広島観音は今後行われる県、全国大会のトーナメント戦を想定し、また安易に警告を受けるプレーをなくすために神車をメンバーから外し、そのなかで飛龍高に3-0で勝利。「チームに迷惑をかけてしまったのでここで取り返そうという思い」で決勝を戦った神車が鮮やかな先制点を叩き出したが、累積警告や負傷者が出ることを想定して帯同した全17人を起用した中で狙い通りに勝ち上がるなど、内田監督も「この大会の優勝は私たちには意義があった」と評する会心のタイトル奪取となった。
今大会ともに4連勝で勝ち上がってきた両校のファイナル。4-4-2システムの香川西はGK近藤雅紀(新3年)、4バックは右から坂東宥吾(新2年)、蟹田悠平(新3年)、飛田竣吾(新3年)、白石圭吾(新1年)。中盤は砂川萌(新3年)と古田哲平(新3年)のダブルボランチで注目の両翼は左MF本田功輝(新2年)、右MF西村宙(新2年)。そして2トップは西山颯人(新3年)とU-16日本代表FW高木慎也(新2年)が入った。
一方、4-5-1システムの広島観音はGK桜井亮吾(新3年)、CB芝田大輝(新3年)を負傷で欠く4バックは右から山田友貴(新3年)、松長潤(新3年)、原田涼平(新2年)、玉井玲央(新3年)。中盤は永江優介主将(新3年)と米広達哉(新3年)のダブルボランチでトップ下が森重。右MF吉形淳之介(新3年)、左MF新見俊樹(新3年)、1トップは神車が務めた。
前半5分、まずは香川西注目の本田が魅せる。相手DFとの1対1を完全に制して左サイドを打開すると、そのラストパスをニアで西山が合わせた。対して広島観音は13分、神車が抜け出すが、GKの股間を狙ったシュートは近藤にセーブされてしまう。香川西は砂川の大きな展開から本田が仕掛け、また右の西村からもクロスがPAへ入る。対して広島観音は正確にボールを繋ぐと神車の抜け出しや、両翼の吉形と新見、永江の仕掛け、また米広のミドルシュートなどで攻め、横への揺さぶりからSB山田のシュート性クロスがゴール前を横切るシーンもあった。
スコアが動いたのは27分だった。広島観音は吉形のループパスで抜けだした神車がGKを狭い右側からかわすとそのままニアサイドへ先制ゴールを流し込む。エース神車の鮮やかな一撃でリードを奪った広島観音に対し、香川西も西山が左サイドを抜け出して一気にPAへ切れ込むシーンがあったが、広島観音DF陣のカバーリングにあってシュートまで持ち込むことができない。
すると、後半3分、広島観音は左スローインから森重が右足のドライブシュート。これは香川西GK近藤がファインセーブでCKに逃れたが、続くCKを新見が蹴りこむと香川西守備陣に痛恨のクリアミス。ゴール前にこぼれたボールを広島観音MF森重が頭で押し込んで2-0とした。香川西はDF浪越清晴(新2年)、DF渡部彰久(新3年)を投入して迎えた27分、スペースへ飛び出した高木がPA付近で相手選手と交錯するもノーファールの判定で得点には至らない。さらに31分には高木のヒールパスから西村が右クロス。これに本田が飛び込んだが、山田にブロックされてしまう。広島観音は今大会活躍の光ったFW沼田和真(新3年)を終盤に投入。3点目を奪うことはできなかったが、2-0で待望の頂点に立った。
今年は全国高校総体が広島県で開催される。広島観音にとっては全国出場、日本一を狙う総体の予選へ向けて弾みをつけるタイトル奪取となった。その中で見えた課題について内田監督は「やっぱり失点ですね。きょうは大丈夫やったけれど、攻めていてカウンターで取られてしまう。あと、2-0から追いつかれることもあるので、先制、追加、ダメ押しをしっかりしたい」と語り、神車も「チームとして2点目は簡単に取れるんですけど3点目が取れない。先制、追加点、そしてダメ押しの部分。相手を突き放す一本、2-0から3-0にできる力をつけていきたい」と誓った。
そして森重は「まず、今すぐあるのは総体なので、決勝で勝って日本一取れるように頑張りたい。(まずは全国に)絶対に出たいです」。意義のある優勝を今後の飛躍に繋げる。
(取材・文 吉田太郎)
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