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[プレミアリーグWEST]力と経験値示す逆転勝ち!昨季全国2冠の東福岡が神戸U-18との強豪対決制す!

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[4.9 高円宮杯プレミアリーグWEST第1節 神戸U-18 1-3 東福岡高 長居]

 9日、高校年代最高峰のリーグ戦である「高円宮杯U-18サッカーリーグ2016 プレミアリーグWEST」第1節で13年優勝のヴィッセル神戸U-18(兵庫)と、昨年度全国高校総体&全国高校選手権優勝の東福岡高(福岡)が激突。東福岡がMF青木駿(3年)と日本高校選抜MF藤川虎太朗(3年)、FW佐藤凌我(3年)のゴールによって3-1で逆転勝ちした。

 立ち上がりからボールを支配したのは神戸の方だった。パススピードの速さ、正確さで優位に試合を進めると前半16分、U-17日本代表CB小林友希(1年)の左足から絶妙な縦パスがPAへ入る。右サイドからDFを上手く外して走りこんだ10番MF安井拓也(3年)が右足でゴールへ押し込み、先制。東福岡は昨年の開幕戦でC大阪U-18に1-6で敗れているだけに、藤川は「先制点取られて1-6という大敗が頭をよぎってしまった」というが、「試合中に気持ちを新たにして。下向かずにみんなでプラスの声をかけ続けることを意識していました」とすぐに切り替えて逆転勝ちに結びつけた。

 失点後、相手のパスワークも慣れたか、アプローチのスピードも上がってボールを奪う回数も増やした東福岡は33分、豊富な運動量とテクニックを見せていたMF高江麗央(3年)とのワンツーで左サイドから中央へ潜り込んだ青木が左足シュートをゴール右隅へ叩き込む。追いつかれた神戸は39分、FW永澤竜亮(3年)の左クロスにMF佐藤昴(2年)が決定的な形で飛び込んだが、東福岡GK前島正弥(3年)が阻止。後半、東福岡は「マークを含めたところをはっきりさせなさい。中途半端な状態になるなという修正が後半はあったと思います」という中で、相手のパスワークに上手くブロックを作って対応する。鋭いターンから突破を図る神戸FW佐々木大樹(3年)と永澤の突破や、自分たちのミスで危ないシーンを迎えるシーンもあった東福岡だが、「去年は(自分が)先輩に声かけてもらったり、カバーしてもらっていた」というCB児玉慎太郎主将(3年)や日本高校選抜MF鍬先祐弥(3年)が絶妙なサポートを見せて決定機を作らせない。

 そして後半、左SB小田逸稀(3年)の鋭い左クロスにFW藤井一輝(3年)が飛び込み、交代出場の佐藤のインターセプトから高江が左足シュートを放つなど好守からチャンスをつくる東福岡は36分に勝ち越し点を奪う。中央の鍬先が右サイドへ展開すると、交代出場のMF濱田照平(3年)が中央へラストパス。これまでのアーリークロスとは違い、真横を狙ったクロスボールに10番MF藤川が飛び込み、右足ダイレクトで勝ち越し点を決めた。

 神戸もMF野田樹主将(3年)を中心に反撃したが、東福岡は後半アディショナルタイム、高江の縦パスで抜けだした佐藤が相手守備陣と競りながら頭でゴールへ押し込んでだめ押した。神戸の安井は「先制点は取ったけれど畳み掛けることができなくて、チャンスはあった中で決められなかった。東福岡さんはゴール前の攻防が強くてとても迫力がありましたし、シュートを打たせてもらえなかったですし、しっかり決めてきた」と反省。一方、東福岡の児玉は「失点した後は自分たちのサッカーが落ち着いてできたと思います」と納得の表情で振り返った。

 全国2冠を成し遂げた昨年から代が代わった今年、東福岡は児玉や鍬先、藤川、小田、高江ら昨年から経験を積んでいる選手たちを中心に九州高校新人大会と“春のプレ全国大会”と言える顔ぶれと戦った船橋招待で優勝。サニックス杯国際ユース大会でもU-17ウズベキスタン代表を破って準優勝するなど好成績を残してきた。フェスティバルでは強さを示した一方、真の力がどこまであるのか未知数だったが、優勝候補の一角と目される神戸との一戦で勝利。児玉は「慢心するのは良くないけれどしっかり戦えたし、きょうの反省点をしっかり直していければ優勝も見えてくると思います。去年経験している選手が多いし、去年の反省はしている訳で同じ過ちは繰り返さないようにしようと常々言っている」。

 昨年は開幕戦で1-6という大敗を喫したからこそ、守備意識が高まり、その後の好成績に繋がった面もある。だが児玉も指摘したように、昨年を経験している選手たちがいて、その課題や良い面を忘れずに意識高く戦っているからこそ、今年の東福岡は上積みを持ってスタートしている。それを印象づける開幕戦だった。森重監督は「(今年は快勝のスタートとなったが)子どもたちに大きな勘違いをするなよというところから入っていかないといけない。勝ったことは良かったけれど、このリーグの中でウチのチームが力があるのかというとそんなことはないと思う。日々のトレーニングから高めていかないと目標にはたどり着かないと思う」。勝って兜の緒を締める。白星スタートを切ったチームは緩むことなく、冬に花開かせたチームと同様に日々努力を続けて目標達成を目指す。

[写真]後半36分、東福岡は藤川のゴールで勝ち越し

(取材・文 吉田太郎)
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