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[国体少年男子]神奈川県のスタッフ、選手たちが最も盛り上がった5点目のゴール!FW山田が復活の一撃

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後半29分、神奈川県はFW山田のゴールに大興奮。(写真協力 高校サッカー年鑑)

[10.6 国体少年男子3位決定戦 神奈川県 6-0 東京都 遠野運動公園陸上競技場]

 神奈川県は後半20分までに大量4得点。だが、何よりチームが盛り上がったのは5点目のゴールが決まった時だった。それまでクロスバーや相手DFに決定的なシュートを阻まれていたFW山田新(川崎F U-18、1年)が左サイドから持ち込んで右足でゴールを破る。右手を握りしめて走り出した山田の元にサブ組の選手たちよりも早くコーチングスタッフたちが駆けつけて歓喜の抱擁。前日3連覇を逃したチームは「最高の3位決定戦にしようということでスタッフも選手も昨日の時点でひとつになれていた」(永山晃監督)というが、同時に怪我から復帰してきた山田に何とかゴールを取らせたいという思いがあった。

 大会直前に捻挫した山田はメンバー外になってもおかしくない状況だったという。それでもチームとともに広島入りしたFWは進んでムードメーカーを努め、ウォーミングアップから大声を上げるなど試合に出られなくてもチームを支え続けた。そしてメディカルスタッフのサポートを受けて復帰。前日の準決勝ではわずか4分間の出場だったが、快足を活かした突破から決定的なシュートを打ち込んでいた。

 そしてこの日はクロスバーにシュートが弾かれたシーンでチームメートたちがのけぞって残念がるなど、そのゴールが待望されていた。その中で決めたゴール。MF桝谷岳良(川崎F U-18、2年)は「彼、ムードメーカーで試合出ていなくても盛り上げてくれていた。新が取ってくれて俺らも嬉しかったです」と語り、山田は「怪我して出れない時にみんなに助けてもらって、トレーナーやドクター、監督とかにも凄くお世話になって、きょうテービングとか巻いて出れたんで感謝の気持ちが大きかった」。山田は後半29分のゴールに続き、アディショナルタイムにも2点目のゴール。チームに恩返しの2発を決めた。

 3位という結果には満足していない。前日の大阪府戦では自身が作り出したチャンスで決めていれば勝っていたかもしれない。「あれを決めていれば、と思いました」というがそれでも、切り替えてこの日結果を出すことに集中していた。そしてチームを興奮させた2ゴール。「スピードが自分の武器だと思っています。球際とか、チェイシングとか自分の強みだと思っています」というストライカーは「自分まだ足元の技術がないのでそこを磨いて代表入りできるように」。怪我に苦しんだ日々も、チームの支えを受けて決めた2ゴールもすべて今後へのステップにする。

(取材・文 吉田太郎)
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