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[新人戦]城福監督「希望ある戦い」。全国王者苦しめた仙台育英は地元開催の全国総体へ期待高まる試合に

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仙台育英高の10番MF佐藤圭太がドリブルで切れ込む

[1.29 東北高校新人選手権準決勝 青森山田高 2-0 仙台育英高 相馬光陽サッカー場A]

 敗れたものの、今年へ期待高まる内容だった。宮城1位の仙台育英高は前半14分までに2点を失い、16年プレミアリーグ、全国高校選手権優勝校の青森山田高に0-2で敗戦。だが、城福敬監督は試合後、「負けたけれど希望がある戦い方をしてくれた」と頷いていた。

 王者相手に気負いすぎたか、明らかに硬さのあった立ち上がり。引いてしまったところを突かれたことに加えて、負傷によって初戦から2人入れ替わっていたことも影響して14分までに2点を奪われた。だが、3点目を失ってもおかしくないピンチがある中でどうにか踏みとどまったチームは、後半、積極果敢なサッカーを展開する。

 失敗することを怖れずに攻守において前から仕掛けた仙台育英は高い位置でボールを奪い、10番MF佐藤圭太(2年)や俊足FW千葉奨(2年)、初戦2発のFW佐藤一輝(2年)がチャンスに絡む。右SB石川巧実主将の(2年)攻撃参加や後半開始から投入されてトップ下の位置でポイントをつくった181cmMF仲澤岬希(1年)の奮闘などもあって、後半は互角以上の戦いを見せた。

 特に光ったのは戦う姿勢と走り勝つという姿勢。青森山田の選手、スタッフにも「負けていました」と言わしめた。城福監督も「自分を変えてくれたのはいい傾向だなと。個人の特長も出そうとしてやってくれた。望みはあるかなという戦いをしてくれた」と目を細める戦い。敗れたものの、今後へ繋がるゲームとなった。

 今夏の全国高校総体は宮城県で開催される。代表枠は2で県大会の優勝チームは2回戦から登場し、全国上位に食い込むチャンスがある。新人戦宮城王者の仙台育英は選手権出場の聖和学園高などとともに有力校のひとつ。城福監督は「地元のインターハイなんて50年に一度。思い切ってやってくれればなと思います」と期待した。この日、青森山田と好勝負を演じた自信と、「連れてきた30人だと誰が出ても変わらない」(城福監督)という選手層の厚さも武器。夏までにさらに成長を遂げて、宮城の名門・仙台育英が全国で躍進を果たす。

(取材・文 吉田太郎)

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