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[新人戦]小柄なGKも評価を!インハイ優秀選手、昌平の173cmGK緑川は「ちっちゃくてもやれる」こと証明する1年に

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昌平高GK緑川光希は完封勝利

[2.4 埼玉県高校新人大会1回戦 昌平高 2-0 浦和東高 昌平高G]

「評価されづらいとは思っている。何を見返すか分からないですけど、見返したいですね」。昌平高のGK緑川光希(2年)はそう微笑みながら口にした。笑顔の一方で語ったのは、決して曲げることのない強い意志。「ちっちゃいのはしょうがないので。でも、ちっちゃいなりにやれることはある。でっかい人が評価されがちなんですけど、ちっちゃくてもやれるんだぞというところを見せていきたい」

 緑川は1年時から強豪・昌平の先発を任されてきた実力派GK。身長173cmと決して大柄ではないものの、藤島崇之監督が「シュート入らないんですよ、トレーニングレベルから」と認めるシュートへの反応の良さと鋭い読みを武器にチームの躍進に貢献してきた。この日は攻められる機会が少なかったものの、クロスを安定したキャッチングで処理し、後半終了間際の決定機をしっかりと阻止するなど完封勝利。目標の無失点で新チームの公式戦初戦を終えた。

 昨年の全国高校総体では攻撃陣の活躍に影に隠れていたものの、ビッグセーブを連発してチームを全国4強へ導き、自身も大会優秀選手に選出された。だが、同等の活躍をしてもどうしても注目されるのは、大柄なGKの方。まだまだ自身の評価を高められていないと感じている。だからこそ、この1年でその評価を覆して「小さなGKでもできる」ことを証明すること。「(周囲の評価と)自分の評価は違うと思うんで。周りが凄いGKだなと思うようなGKになっていきたい」と誓った。

 憧れは京都のGK菅野孝憲だ。登録は179cmだが、柏のJ1制覇に貢献した実績も持つなど、国内トップレベルで活躍してきた元日本代表守護神。「京都サンガの菅野選手は身長大きくないですけども、自分に自信もってやれていますし、チーム引っ張っていける存在ですし、発言もポジティブですし、毎週試合の映像見て、菅野選手に近づけるようにと思ってやっています」。自身の目標もプロ。身長を言い訳にすることなく、挑戦し続ける気持ちでいる。

 プレーと結果で認められる存在になる。今年の目標は「去年県内3冠しか取れなかったので全タイトル取ること。そしてプリンス昇格をして、日本一になれるようにやっていきたい。先輩2人のようにプロになりたいという気持ちがあるので評価されるように、全試合無失点でやっていきたいです」。身長が他のGKよりも10cm低ければ、その分速く判断して、動いて、跳躍する。他のGK以上に止める力を身につける。“プロにも負けない”という声があるほどゴール前での上手さ、“決められない”強みを持つ守護神が今年、必ずチームと自身の目標を達成する。

(取材・文 吉田太郎)

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