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念願だった高校選抜での活動もプラスに、GK山ノ井は福岡でのレギュラー争い勝ち抜く決意

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日本高校選抜候補のGK山ノ井拓己

[3.26 練習試合 日本高校選抜候補 0-1 専修大]

 アビスパ福岡に所属するGK山ノ井拓己(静岡学園高/3年)にとっては念願の日本高校選抜での活動となっている。静岡学園1年時の全国高校選手権で夏の王者・東福岡高を完封するなどチームの8強入りに貢献。2年時には1年時から熱望していた日本高校選抜の選考合宿メンバーに選出されたものの、体調不良で参加することができず、掲げていたその後の年代別日本代表へのステップアップに繋げることができなかった。

 それだけに3年目で待望の日本高校選抜入り。今冬の全国高校選手権に出場できなかったこともあって本人は難しいと考えていたようだが、「せっかくこういうチャンスが巡って来たので、自分の存在感を出していきたい。プロに行く選手は違うんだと思ってもらいたいですね。海外の選手とやれるチャンスはあまりないですし、こういうところに来て経験を積めるのはありがたいですし、いいプレーできれば先が見えてくると思う。海外の選手のミドルシュートとか止めれば自信になると思う。楽しみですね」と意気込んでいる。

 この日はGKが一人だったこともあって90分間フル出場。強い雨の中、伸びて抜けてくるボールへの対応やキックの部分で思うようなプレーはできなかった。ゴール前の難しい混戦でボールをかき出して見せるなど1失点で試合を終えたが本人は「負けたのは良くないと思いますし、僕も含めてイージーミスがあったので悔しいです」と無念の表情。湯田哲生GKコーチ(千葉U-18)は1月の予備選考合宿からの成長を認めると同時に、左足キックなど課題を改善する必要性を口にしていた。

 今年福岡に加入。2か月が経過し、スピード感には大分慣れることができた。だが、一方で大きな差も感じている。「パワー面が結構違うと思いますね。行けると思っても届かなかったりするし、イメージとカラダがまだ合っていなかったりする。守れちゃうのが高校でちゃんと準備しなかったら決めてくるのがプロなので、その差は痛感しています」。もちろん、すぐにでも公式戦に出場したいという思いがあるものの、「今は下積みの時期だと思いますし、腐らずにやっていきたい」と我慢強く成長を目指していく。

 同じ年のDF冨安健洋の活躍に刺激を受けながらトレーニングに励む日々。以前は代表チームへの強すぎるほどのこだわりがあったが、現在は所属チームで試合に出ることが将来の可能性を高めると考えている。それだけにまず高校選抜で世界を経験してきた後は「今は代表よりもチームのレギュラー争い。色々な思いをとっぱらってアビスパで結果を出すことに今は専念しています」という福岡でのプレー、成長にまた集中する。

(取材・文 吉田太郎)
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