beacon

[プレミアリーグEAST]強力カルテット擁する首位・清水ユースが “天敵”市船に3発快勝!

このエントリーをはてなブックマークに追加

後半19分、清水エスパルスユースはFW新関成弥が左足で勝ち越しゴール

[5.7 高円宮杯プレミアリーグEAST第5節 市立船橋高 1-3 清水ユース グラスポ]

 高円宮杯U-18サッカーリーグ2017 プレミアリーグEASTは7日、第5節2日目を行い、3勝1分で首位の清水エスパルスユース(静岡)はアウェーで市立船橋高(千葉)と対戦。後半の3得点によって3-1で快勝した。プレミアリーグは1か月半の中断期間を経て6月24日に再開する。

 清水は5試合を終えてリーグトップの14得点。うち11得点を叩き出しているMF滝裕太主将、10番MF鈴木魁人、FW新関成弥、FW平墳迅(全て3年)のオフェンスカルテットは特に対戦相手の脅威となっている。この日はいずれもルヴァン杯でトップチームデビューを果たしている滝、新関、平墳がゴール。プレミアリーグ初対決から過去6試合全てで完封負けを喫していた“天敵”市立船橋相手に破壊力を見せつけて、第5節までの第1クールを堂々の首位で終えた。

 この日の序盤、清水は完全にボールを支配。時に、中盤中央の選手のような位置取りもしていた右SB吉田峻(3年)らを交えてスピーディーにボールを動かし、左サイドでは相手の守りを見てインナーラップも狙いながら攻め上がった左SB伊藤研太(3年)が決定的なクロスを配球する。また、前線でほぼボールを収めていた平墳や新関が個人で市立船橋の守りに圧力をかけて突破やシュートへ持ち込むなど市立船橋を攻め立てた。

 押し込まれる展開となった市立船橋だが、DF陣が最後の局面でシュートやラストパスを足に当てて得点を許さない。逆に「消極的なプレーになってしまった」(平岡宏章監督)という清水に対し、市立船橋は朝岡隆蔵監督から「エネルギーを与えるだろう」と期待して送り出されているMF今村卓也や右SB吉田歩未(ともに3年)の奮闘が光る。

 25分には清水GK梅田透吾(2年)の好守に阻まれてしまったものの、ゴールライン際のこぼれ球に反応したU-18日本代表の左SB杉山弾斗主将(3年)から決定的なクロス。そして40分には敵陣でのボール奪取から攻め込み、こぼれ球を拾ったMF西堂久俊(2年)が縦へ切れ込んで放った右足シュートがゴール左ポストをかすめる。45分にもカウンターから一人で右オープンスペースへと駆け上った今村がクロスを上げきるなど対抗して見せた。

 前半半ば以降は流れを失っていた清水。平岡監督からは運動量の少ないダブルボランチに対して「全然走ってねぇーじゃん! 走行距離2kmだよ!」という厳しい指摘も飛んだ。それでも「市船戦で1点も獲れていないし、1回も勝ったことがなかったので流れを変える意味で後半から気持ち変えて戦おうということで入った」(滝)という後半に、清水は3得点を奪い取った。

 4分、右中間でのスルーパスは流れてしまったが、相手DFのトラップミスを狙っていた滝がインターセプトから右足シュートをゴールへ叩き込む。したたかに先制点を奪った清水が喜びを爆発。だが、わずか1分後の5分、市立船橋は1年生MF森英希のキープを起点にチャンスをつくると、右サイドから攻め上がっていた吉田がニア上へ弾丸シュートを叩き込んで同点に追いついた。

 清水は14分にFW齊藤聖七(2年)をピッチへ送り出し、新関を右MF、滝をボランチへとスイッチする。すると、19分、滝のループパスをPAの齊藤が後方へ落とし、最後は新関がコントロールから左足シュートを決めて再び突き放す。選手交代を繰り返しながら反撃する市立船橋はU-16日本代表MF井上怜(2年)から決定的なラストパスが入るシーンもあったが、ゴール前で詰めることができない。逆に清水は42分、交代出場のMF松本陸(3年)が右サイドで素晴らしい突破。最後は平墳が切り返しから落ち着いてゴールネットを揺らした。

 清水は圧倒的な個を発揮していた平墳をはじめ、足技巧みな新関、落ち着いてゲームをコントロールする滝、そして右の突破口となっていた鈴木がそれぞれ存在感。加えて、U-17日本代表CB監物拓歩(2年)が不在の中で最終ラインの選手たちが意地の好守で勝利へ導き、出番の限られている松本が活躍して見せるなど、チーム状態の良さを感じさせる内容だった。

 平岡監督は「一つは(開幕戦で優勝候補の)F東(FC東京U-18)に勝てたのが自信になっていますし、クラブの方ではルヴァンカップに出させてもらって、『オレももしかしたら出られるかもしれない』という相乗効果が出ている。今はいい流れで来ています」と説明する。後輩のジュニアユースチームが5日にJFAプレミアカップで2年連続日本一に輝いたことも刺激に。滝は「まずは監督も言っていたんですけれど、残留決めてから優勝、チャンピオンシップを目指そうと思っている。去年も最後まで優勝争いした中で悔しい思いをしている。今年はチャンピオンシップに出たい」と力を込めた。まずはこの日出た得点後の戦い方などを改善。中断期間に行われる東海予選で昨年あと一歩のところで日本一を逃した日本クラブユース選手権出場を決めて、またプレミアリーグでの進撃を続ける。
 
(取材・文 吉田太郎)
●2017 プレミアリーグEAST

TOP