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[プレミアリーグEAST]危機感持って日々を送る柏U-18のU-19代表MF田中陸、トップ昇格へ「頑張りどころ」

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柏レイソルU-18のU-19日本代表MF田中陸

[7.1 高円宮杯プレミアリーグEAST第7節 柏U-18 2-0 市立船橋高 日立柏総合G]

 序盤から、柏レイソルU-18は右サイドで主導権を握っていた。連動した動きでスペースを作り出すと、右SB田中陸(3年)が右MF正田徳大(2年)とのワンツーで2度3度と中央へ潜り込む。

「相手のシステムが独特で縦に(ディフェンスが)3枚いて、自分が持った時はトップ下が抜けてくれて、食いついたところをワンツーで自分が前に運べるシーンが多かった。それがフィットして少し余裕ができました」

 攻撃のポイントになっていた田中は、持ち味である攻撃力を発揮して積極的に攻め上がる。判断よく中へ切れ込んでいたことに加え、スピードを活かして縦へえぐるシーンも。エンドラインギリギリへのパスに反応してクロスを上げきり、CKを獲得したシーンでは「シャー!」と声を上げ、気持ちが乗っていることも感じさせた。

 年代別日本代表常連の実力者である田中は、2月のU-18日本代表ポルトガル遠征でCopa del Atlanticoの優勝に貢献して大会MVPに選出された。そして5月にはU-20W杯を控えたU-20日本代表のトレーニングパートナーとして合宿に帯同。その後、U-19日本代表の一員としてトゥーロン国際大会(フランス)に出場した。

「U-20とかでも代表で海外の選手ともいろいろな経験をさせてもらって、ここ(U-18チームに)来た時は少し余裕ができるし、自信持ってプレーできているのかなと思います」という田中はこの日、幅広いカバーリングで失点の危機を防ぐなど攻守両面で勝利に貢献した。

 本来はSH、トップ下など攻撃的なポジションが本職。だが、年代別日本代表では右SBを務めることが多く、チームでもけが人が多い関係でこの日は右SBとして戦った。ボランチもこなすなど万能性も高い選手だが、本人は危機感を抱いている。

「この時期になって2種登録もされていなくて、危機感はもちろんありますし、やっぱりトップが決まっていない状況の中でどれだけ今のうちにアピールできるか。頑張りどころかなと思っています。自分の良さはきっと監督も知ってくれていると思うんですけど、シンプルに技術面だったり最後の質、自分の短所をもっと上げていかないとプロではやっていけないと思いますし、ここ(U-18チーム)ではできていても、プロへ行ったらもっと自信持ってできるようなプレーヤーになっていかないと。まだ全然足りていないかなと思っています」。

 U-18チームのチームメートであるGK猿田遥己やCB中川創、左SB宮本駿晃(全て3年)がトップチームに2種登録されて、トップチームのトレーニングも経験している中で田中はまだ2種登録をされていない状況だ。だからこそ、課題を改善して、試合では持ち味を発揮して結果を残す意気込み。「自分のチームでもちゃんと結果として残るようなことをしていかないと見てくれないかなと思っています」。チームが開幕戦以来となる勝利を果たした中、練習からアピールを続けて、結果を残して目標であるトップチーム昇格を果たす。

(取材・文 吉田太郎)
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