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[プレミアリーグEAST] 柏U-18のU-20代表候補CB中川創。国際試合、トップでの経験を経て「過信」が「自信」に

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柏レイソルU-18のU-20日本代表候補CB中川創主将

[7.1 高円宮杯プレミアリーグEAST第7節 柏U-18 2-0 市立船橋高 日立柏総合G]

「ゼロで終わることができて、チームが勝てたことに関しては良かったと思うんですけど、自分が背後何回か取られたりとか、守備の面で課題も残る試合だったのかなというのは、勝った上での反省として何個か出た部分だと思います」。

 プレミアリーグEASTで市立船橋高に2-0で勝利し、開幕戦以来となる勝ち点3を勝ち取った柏レイソルU-18のU-20日本代表候補CB中川創主将(3年)は、無失点勝利の喜びを語った一方で課題を口にすることを忘れなかった。

 この日、市立船橋のエースFW福元友哉(3年)とのマッチアップは非常に激しいものに。鋭さと力強さを兼ね備えた福元の仕掛け、抜け出しを中川はポジショニングや当たりの強さで封じ、無得点に抑えた。だが、強引に入れ替わられて背後を取られるシーンやマークを外されてシュートを打たれるシーンも。だからこそ、1人で封じ込んだとは考えていない。コンビを組んだCB杉井颯(2年)やGK猿田遥己(3年)に助けられての完封勝利でもあったことを素直に認めていた。

「試合前からずっと警戒していて、(福元とは)去年から対戦しているんですけど、お互い成長している中でどこまでやれるかなというのは自分も試合前から結構いいモチベーションでした。試合をやっていく中で背後を取られたりとか、球際の部分で強く行ったシーンも何回かありましたし、ああいうレベルの高い相手とやることで自分は成長していくと思うので、この90分間はいい90分間だったと思います」

 強敵とのマッチアップによって成長したと感じている。その中川は日常から成長できる環境があることを感謝している。今季は火曜日、水曜日とトップチームのトレーニングに参加。その後、週の後半にU-18チームへ合流してプレミアリーグなどの公式戦を迎える流れがルーティーンとなっている。

「(トップチームは優勝争いをしており、)物凄く選手たちの雰囲気も良くて、なおかつ日本のトッププレーヤーの人たちとマッチアップできたりとか、接したりすることができている中で自分の足りないものははっきりと見えてきています。そういう中でもっとプレーして、成長していきたいという強い気持ち、ここでプレーしていきたいという気持ちは毎日毎日増してきている」

 トップチームの選手たちに比べると、球際の部分で劣っていると感じている。また、U-18チームの先輩でもあるCB中谷進之介やCB中山雄太と比べると、守備の面も、ビルドアップの面でもまだまだ全然足りないと日々感じているのだという。J1の厳しい環境の中で進化する彼らを上回るようなものを見せていかなければ、トップチームの一員として日立柏サッカー場で輝くことはできない。ただし、慌てるつもりはない。今、やるべきことを一つひとつ積み重ねて行くだけだと考えている。

「日立台のピッチでプレーしたいという気持ちは小さい頃からずっと思っていて、それがあと少しと言ったら変ですけど、ユースの最高学年として目の前に来ているというのはどの選手も感じていると思う。でも、先のことは考えずに目の前のことを一つ一つやっていくことがプロになるという道に繋がると思っています。プロは意識していますけれども、こっち(U-18チーム)で結果出さなければ何にもならないので、今は結果を出していきたいという気持ちだけですね」

 年代別日本代表の海外遠征などで世界を体感しても、帰国して時間が経つ中でその強度など「基準」を忘れてしまうことがあった。自分の芯の部分にすることができていなかった。それが、今年はより多くの経験を積む中で自分の中での「基準」や意識が全くブレなくなったのだという。

「前までは自分の中で持っているただの過信だったんですけど、それは高3になっていろいろなことを経験させてもらって、その中で感じる『自分をしっかり持つ』ということが少しずつ形になっていると思います」。今年、最も変化があった部分に「自信」を挙げた中川。充実した日々の中で満足することなく、より貪欲に成長を目指し、ユースレベルでは違いを生み出すCBに、そしてトップチーム、世界で戦えるCBになる。

(取材・文 吉田太郎)
●2017 プレミアリーグEAST

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