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[プリンスリーグ北信越]「鵬はこのままで終わらない」。開幕7連敗から立て直した鵬学園が王者・新潟明訓とドロー

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ヘディングで競り勝つ鵬学園高DF中村愛暉

[7.8 高円宮杯プリンスリーグ北信越第11節 新潟明訓高 1-1 鵬学園高 新潟明訓高G]

 高円宮杯U-18サッカーリーグ2017 プリンスリーグ北信越は8日に第11節1日目の2試合を行い、連覇を狙う新潟明訓高(新潟)と鵬学園高(石川)の一戦は、互いに譲らず、1-1の引き分けとなった。

 開幕から7連敗を喫した鵬学園が浮上の兆しを見せている。この日は、トレーニングで準備していた新潟明訓への対策が外れ、出だしこそは躓いたが、MF森田蓮(3年)と輪嶋拓海(2年)のダブルボランチを中心に徐々にゲームをコントロール。「自分の特徴であるスピードを活かした突破ができた」と胸を張ったMF永田貫太(1年)の突破やDF中村愛暉(3年)の攻撃参加を引き出し、相手ゴールに迫った。前半10分にはカウンターから中央のFW高戸祐成(1年)にパスが渡ると、素早く左サイドに展開。フリーで抜け出した永田がゴールを狙ったが枠を捕らえることができなかった。

 ピンチを凌いた新潟明訓にもチャンスが生まれ、前半24分には右CKを獲得。MF佐藤亮太(3年)がゴール前に入れたボールをDF入山慶斗(3年)が頭で落とすと、最後はFW藤田凌央(3年)が押し込み、新潟明訓が先制した。この1点を機に流れを引き寄せた新潟明訓は28分にも空中戦で好機を演出。左クロスからMF椎谷祐太(3年)がドンピシャのヘディング弾を放ったが、クロスバーに阻まれた。

 後半は新潟明訓の勢いが更に加速。7分に佐藤がミドルシュートを狙うなど果敢に鵬学園のゴールを狙ったが、シュートがクロスバーとポストに3度も阻まれるなど、追加点が奪えない。

 試合終盤には、「2点目がなかなか奪えなかったので、いつかやられるという気がしていた」という田中健二監督の悪い予感が的中。「1点獲られても追いつける雰囲気があった」(MF輪嶋)鵬学園の攻撃が息を吹き返すと35分、DF中村がゴール前に入れたCKを途中出場のDF能登駿平(3年)がヘッドで叩き込んだ。以降も両者ゴールを狙ったが、スコアは動かず勝ち点1を分け合う結果となった。

 粘り強く引き分けに持ち込んだ鵬学園は、今季プリンスリーグ北信越で開幕から1勝もできず苦しい戦いが続いていた。インターハイ予選も小松大谷高の堅い守りを崩せず2回戦で敗退。輪嶋は「星稜を倒すことを意識しすぎて、目の前の相手に対して、どこか心の余裕があった」と振り返る。

 悪い流れを断ち切ったのは、6月に入ってから。「これまで、プリンスで負けるのは仕方がないという雰囲気があったけど、インターハイで負けてからは、“このままじゃマズい”となって、練習から一つひとつのプレーに気持ちがこもってきた」(輪嶋)ことに加え、永田や高戸など多くの1年生を抜擢したこともチームに勢いを与えている。

「3年生が背中を押してくれるので、ノビノビとプレーできる」。永田がそう話すように技術力に長けた下級生を上級生が精神面で支えるスタイルが見事にハマり、第8節で初勝利を奪ってからは2勝1分。ここから、「徹底的に鍛えるつもり」(赤地監督)という夏を経て、選手権予選に挑む。2連覇がかかった大会ではあるが、選手たちには挑戦者という意識が強い。「ここまでは悔しい思いが続いているので、『鵬はこのままで終わらない』というのを見せつけたい」と永田が話すように、「鵬の意地」を結果に繋げるつもりだ。

(取材・文 森田将義)
●2017 プリンスリーグ北信越

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