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[MOM2346]柏U-18MF田中陸(3年)_アカデミー9年間の最終戦は「忘れられない一日」に

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先制店を決めた柏U-18のMF田中陸(3年)

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[12.10 高円宮杯プレミアリーグEAST第18節 清水ユース1-2柏U-18 J-STEP]

 アカデミーで過ごした9年分の想いを込めて、来季トップチームに昇格するMF田中陸(3年)が先制ヘッドを叩き込んだ。この日は柏レイソルU-18の選手として迎える最後の公式戦。普段より多くの3年生9人が先発に並んだ“引退試合”は「忘れられない一日」となった。

 勝てば優勝が決まるという清水エスパルスユースのホームに乗り込んだ高円宮杯プレミアリーグEAST最終節、柏U-18の背番号8が序盤に試合を動かした。前半10分、DF森大輝(3年)のアーリークロスに反応し、2列目から飛び込みハイジャンプ。「すごく良いボールが来たので当てるだけ」と謙遜したが、相手DFにしっかり競り勝った末の一撃だった。

「早い段階で点を取ることができて、そのまま勢いを持って行けた」。首位を相手に堂々の試合運びを見せた柏U-18は、後半に追い付かれるも再度突き放して2-1の勝利。「勝たないといけないという相手のモチベーションを分かっていた中で、逆に自分たちはノビノビやれた」と心理的な優位も生かした。

 最近のプレミアリーグEASTの試合は、スタメンの約半数を1~2年生が占めていたが、この日は3年生9人が先発。「出られない3年生もすごく良いモチベーションがあって、監督も使ってくれたんだと思います」。長い付き合いの選手になると小学生時代から9年間。これまで同じ黄色のユニフォームに身を包んできた同級生と、最後の公式戦で共にプレーする喜びを感じていた。

「3年生が全員で戦えるということで、個人的にはグッとくるものがありました。最後の最後まで全員で楽しむことができて、忘れられない一日です」。小学4年生から柏アカデミーの門を叩いた田中にとって、この日は育成生活の集大成。「終わった後は泣いている選手もいましたが、最後を迎えるのが寂しい気持ちと、勝って良かったという気持ちです」とこれまでの歩みを感慨深そうに振り返った。

 3年生は来季からそれぞれ別々の道に歩みを進める。「それぞれ行く場所は違いますが、自分はトップチームに昇格させていただくことになった。これからも“柏レイソル”というクラブに携わって、チームに貢献していきたいです」。これまで培ってきたクラブ愛を、Jリーグの舞台で存分に披露する構えだ。

 持ち味は「アジリティーの高さと、前線に顔を出して背後に抜けるようなプレー」。まさにこの日、2列目のポジションから決めた先制点のような形が理想となる。「まずは試合に出ることを目標にしていきたい」。トップチーム選手の多くを育成組織出身の選手が占める柏にまた1人、期待の戦力が加わる。

(取材・文 竹内達也)
●2017プレミアリーグEAST

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