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[MOM2347]FC東京U-18MF品田愛斗(3年)_逆転V導く直接CK弾!

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前半30分、直接CKを決めたFC東京U-18MF品田愛斗がゴールを喜ぶ

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[12.10高円宮杯プレミアリーグEAST第18節 FC東京U-18 3-2 青森山田高 東京ガス武蔵野苑多目的グランド(人工芝)]

 前半30分、赤青の背番号18が放った左CKは、鮮やかな弧を描いて密集の上を越えると、ファーサイドのポストを叩いてそのままゴールネットに吸い込まれた。FC東京U-18にとって待望の先制点を決めたMF品田愛斗(3年)は、大きく跳躍してガッツポーズ。間髪入れずに駆け寄ったFC東京U-18イレブンは、それまで溜め込んでいたものを解き放つように全力で千金弾を喜んでいた。

「一人でもキックの練習をしていましたから」と佐藤一樹監督が明かしたように、努力して磨いた精度。品田は「青森山田のウィークポイントを突こうということで原(大智)選手をGKの前に立たせて、そこの頭目掛けて蹴ろうという感じではあったんですけれども、そのCKが直接入ったらラッキーということで(本当に)入ったので良かったです」と微笑みながらゴールシーンについて説明した。

 誰もがその重みを知っていたからこそ、大きな喜びとなった。「今日の試合に懸ける思いが自分以外の選手も含めて強かった。自分も嬉しかったし、みんなが駆け寄ってきた時もどれだけ嬉しいか分かっていた。それまでチャンスがあって決められなくて、他の選手も焦っていたところがあったと思う」と品田。逆転優勝するために勝つしか無いFC東京U-18は立ち上がりから青森山田を押し込んでシュートまで持ち込んでいたが、そこで決めきることができていなかった。それをCKからの直接ゴールという”ゴラッソ”で結実した品田は勝利に対する自身の強き思いも込めてゴールを喜んだ。

 この日は彼の左右両足から放たれる高精度キックが青森山田の堅守を切り崩した。タイミング良く相手の背後を狙うFW原大智(3年)やMF横山塁(3年)の前方へ正確に配球。青森山田のハイプレスに対して瞬時の判断、精度を求められるようなシーンでも彼は難なくボールを繋いでいたほか、連続した守備など攻守に一際目立つプレーをしていた印象だ。

 来季トップチームへの昇格が内定しているMFはFC東京U-18で逞しく成長した。FC東京U-15深川のエースとして14年の全日本ユース(U-15)選手権優勝。注目される中でU-18チームへ昇格し、1年時のプレミアリーグ開幕戦からピッチに立っている。だが、1、2年時は時折輝きを放つ一方で、プレーの連続性などを欠き、スタメンに定着することができなかった。

「怪我もあったし、フィジカル的なところでは課題が多かった。自分でももっとやれるなと感じたんですけれども、監督の信頼もなかなか取れずに悔しかった」という時期。それでも、彼には自分に足りないものに気づくことができるインテリジェンスと、自分に満足せずに努力できるメンタルの強さがあった。

 そしてプレーの強度、連続性と抜群のパスセンスの両方を表現する今年、チームの2冠に貢献し、個人としての目標も達成。佐藤監督も「ここまで来るクオリティーがあると思っていた。今もバンバン連続で行ったり、入ってきた頃に比べたら数段上がっていると思う」と賞賛するような選手に姿を変えた。

 苦しい時期を経験しながらも考え、努力し、そして変わった高校3年間。その集大成となるチャンピオンシップへ向けて「中学生の頃からFC東京ではタイトルを取り続けられているので、その勝負強さをというものを最後見せられたらいい」。勝負強く白星を勝ち取り、最高の形でU-18チームでの3年間を終える。

(取材・文 吉田太郎)
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