beacon

東京のリーグ戦王者・実践学園は苦杯。引き締め直して選手権へ

このエントリーをはてなブックマークに追加

実践学園高は0-1で敗戦。

[12.23 高円宮杯プリンスリーグ関東参入戦1回戦 実践学園高 0-1 桐生一高 埼玉第2G]

 5年ぶりに激戦区の選手権東京都予選を突破し、全国高校選手権に出場する実践学園高(東京)にとっては、自分たちを引き締め直す敗戦となった。

 深町公一監督は立ち上がりから運動量が不足していたことを指摘。選手権出場を逃し、この大会での勝利に懸けてきた桐生一高(群馬)の気迫ある攻守に上回られてしまい、試合の主導権を握られてしまった。

 そして、前半14分にはCKから失点。選手権群馬県予選敗退によって3年生の多くが引退していた相手の情報も彼らの耳に入っていたかもしれない。気の緩みも一因とする立ち上がりの劣勢、失点についても指揮官は「集中力が切れている」と厳しかった。

 桐生一の厳しいプレッシングの前に持ち味のポゼッションが陰を潜め、相手の背後を狙うような攻撃ばかりになってしまった。そして安易にボールを失い、相手の攻撃をまた受ける展開に。相手が決定力を欠いたこと、またDF尾前祥奈主将(3年)やDF斎藤彰人(3年)を中心に辛抱強く守ったことで2点目を失うことなく試合を進めたが、1点を奪い返すことができない。

 徐々に連動性ある攻撃が増え、MF浦寛人(3年)がフリーでシュートを放つシーンや、MF武田義臣(3年)、MF大関友貴(3年)のラストパスにFW前原龍磨(3年)が走り込む場面もあった。だが、怪我を抱えている選手もいた影響もあってか、スピード感、迫力は不十分。また、深町監督が「あうんの息でやれていないと」と語ったように、まだ迷いもあるようなプレーでは相手の堅い守りを破ることができなかった。

「心で勝負」の実践学園はまず、気持ちの部分から整理して選手権へ向かう。滝川二高(兵庫)との強豪対決はセカンドボールを回収して攻撃のリズムを作れるかなどがポイントになりそう。今年、激戦区・東京を突破して東京都1部リーグを制し、関東大会、インターハイに続いて選手権にも出場する強豪校が、選手権では自分たちの力をしっかりと出し切る。

(取材・文 吉田太郎)
●【特設】高校選手権2017

TOP