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[横山杯]「また決勝で負けた…」準優勝の市船、悔しさ糧に来年は「全部のタイトルを取りたい」

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「全部のタイトルを取りたい」と来年へ意気込んだ市立船橋高(千葉)のMF井上怜(2年)

[12.29 横山杯決勝戦 市立船橋高 0-1 前橋育英高 若松総合運動場]

 また決勝戦で敗れた――。約1か月前、第96回全国高校サッカー選手権千葉県予選で流通経済大柏高と対戦。終盤にDF余合壮太(2年)が1点を返したが、惜しくも1-2で敗れ、3年連続の選手権出場を逃していた。

 その試合で前半38分から途中出場し、千葉県大会優秀選手に選出された市立船橋高(千葉)のMF井上怜(2年)は、前橋育英高(群馬)との横山杯決勝後、「2年生が試合の経験を積ませてもらった。こういう大会でその選手権の悔しさを知っている選手が、今も多く出ていたので、そういう場面でまた同じ決勝で負けたのは、やっぱり“ぬるさ”だと思う。そういうところは本当に課題しかない」と厳しい口調で振り返った。

 3年ぶりに年内に新チームが始動した市立船橋は、今回の横山杯で年代別日本代表選手や選手権予選の主力クラスの選手もBチームを経験するなど、メンバーを入れ替えながら戦ってきた。そんな中でも、予選リーグを全勝で終え、決勝リーグでもファイナルゲーム(決勝戦)進出が懸かった大一番で桐光学園高(神奈川)に劇的勝利するなど、実力の高さを示していた。

 だが、前橋育英との決勝戦では、立ち上がりこそ主導権を握ったが、相手のブロックを前に予選リーグ20得点を誇った決定力は沈黙。ボランチが本職の井上は、今大会から与えられた左サイドのポジションで、自信を持つ「1対1」でサイドを突破するなど持ち味を発揮していたが、「自分はボールに関わってなんぼの選手。ポジショニングは去年から(朝岡隆蔵)監督に言われていて、ボールに関わる回数とか、ポジショニングとか、もっと工夫が必要」と、自身の出来に唇をかんだ。

 それでも、不慣れなポジションをこなす井上は、「全部のポジションができて悪いことはないと思う。もっとボールに関われるサポートの仕方を身につけていきたいし、サイドは1対1で抜けたら絶好のチャンスになるので、そういう挑戦ができるのは楽しい」と、新たなポジションでのプレーに意欲をみせている。

 市立船橋は1点に泣き、0-1で横山杯は準優勝に終わったが、「自分とか新3年生がリーダー的存在となって後輩を引っ張っていかないといけない。チームがよくなるために色々なところで盛り上げたりして、あとは結果で示していきたい」と来年に気持ちを切り替えた。

 もちろん個人としての飛躍もそうだが、チームとしても、「来年は絶対に(高円宮杯U-18サッカーリーグ)プレミアリーグで最初からぶっちぎって優勝したい。そして、インターハイも選手権も全部のタイトルを取りたい」。井上が語るように甘さがあったかもしれない。それでも、横山杯での5日間の戦いは来年への土台作り、新たな課題・目標発見の場になったはず。これを来年に活かさない手はない。

(取材・文 清水祐一)
●横山杯 第18回全国ユース招待サッカー大会特設ページ
横山杯大会公式ページ

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