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自身のシュートミス、先輩FW豊川の言葉きっかけに「変わった」大津FW水野が躍動、イタリアで2戦連続1G2A!

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FW水野雄太(大津高)は2試合連続1ゴール2アシストの活躍

[1.25 練習試合 NIKE NEXT HEROプロジェクト選抜 8-0 ヴァレジーナ・カルチョ]

 苦い経験、先輩の言葉によって「変わった」注目アタッカーが、イタリアで躍動した。「NIKE NEXT HEROプロジェクト」選抜はイタリア遠征4日目の25日、インテルアカデミーのヴァレジーナ・カルチョと対戦。後半開始から右SHとして出場したFW水野雄太(大津高2年)が前日の初戦に続く1得点2アシストの活躍を見せた。

 得意の左ではなく、やや不慣れな右SHとしての出場となった水野だが、開始1分に右クロスをFW森海渡(柏U-18 2年)の頭にピタリと合わせてアシスト。さらに20分にも右サイドからの崩しにかかわり、ゴールを演出する。そして40分には敵陣でのインターセプトから中央突破。そしてスルーパスで再び森のゴールをアシストした。

 本人も「手応えになりました」と振り返る内容。右サイドからのチャンスメークを続けた水野は、42分に森とのワンツーからゴールを破って2試合連続ゴールも記録した。「チャンスメークし過ぎて『点決めてぇ!』と思っていて。お膳立てしてもらいました。仕事ができたので良かったです。あまり勝負強さがないイメージなんですけれども、結構ストロングポイントを出せたので悔いはないですね」。試合後は充実の表情を見せていた。

 下級生ながら名門・大津で10番を背負う水野だが、選手権は熊本県予選決勝で敗戦。0-1で迎えた後半終了間際に決定的なヘディングシュートをミスしてそのまま試合終了を迎えた。高速ドリブラーはヘディングも得意なプレーヤー。「ずっと先輩とかに『最後自分決めるんで信じてください』と言っていたんですよ。それで来たので、『ヨッシャー』と思ったんですけれども……」。プレッシャーからかシュートは当たり損ね、チームは敗戦。その敗戦が変わるきっかけとなった。
 
 それから自主練に対する本気度、強度が向上。正月の初蹴りに訪れた先輩FW豊川雄太(現オイペン)から自主練の大事さを伝えられたことも大きかったという。豊川は高校時代、当時の平岡和徳監督(現アドバイザー)から「もう帰れ!」と言われても、自主練を続行、平岡監督が帰るのを確認すると、またグラウンドに出て練習を続けていたというエピソードも聞いた。

 その豊川は「自主練はめっちゃ大事で、試合をイメージしてやることが一番身になるよ」と水野らにメッセージ。その言葉を聞いてから、自主練で試合をイメージして、より自分を磨いてきた水野は、その成果をイタリアで存分に発揮した。

 今回のイタリア遠征には3人のJリーガーが参加。他チームの選手は面識がなかったため、当初は緊張したというが、徐々に先輩たちともコミュニケーションが取れ、憧れのMF中村駿太(青森山田高→山形)ともプレーすることができた。「駿太くんはゴールを取りに行く姿があるし、みんな違った上手さがありました。周りが上手いからめっちゃやりやすかったです。高校に帰ってどれだけチームに伝えられるかが大事。チームメートに話して、こういう選手がいたよ、オマエもできるでしょうと伝えながら、強いチームを作っていきたい」。

 昨年、先発メンバーのほぼ全員が下級生だった大津にとって今年は勝負の一年だ。その中で「高校からプロに行きたい」という水野はエースとしてシーズン当初からチームの勝利に貢献し、アピールを続けて目標を達成する。

(取材・文 吉田太郎)

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