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[新人戦]後半ATに初先発の1年生FW川野が決勝弾!山梨学院が2年ぶりV!:山梨

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後半アディショナルタイム、決勝ゴールのFW川野大成を中心に喜ぶ山梨学院高イレブン

[2.4 山梨県高校新人戦決勝 山梨学院高 2-1 帝京三高 山梨学院和戸G]

 4日、平成29年度山梨県下高校サッカー新人大会の決勝戦が行われ、山梨学院高が2年ぶりの優勝を飾った。決勝戦で帝京三高と対戦した山梨学院は後半アディショナルタイムにFW川野大成(1年)がこの日2得点目となる決勝点を決めて2-1で勝利。昨年11月の選手権予選に続く山梨制覇を果たした。

 劇的な決勝点によって山梨学院がまず山梨1冠を獲得。17年日本高校選抜候補の10番FW宮崎純真(2年)は「4つ県内取ろうという話をしていたので、一つめが取れて良かった」と微笑んだ。1-1で突入した後半アディショナルタイム2分、帝京三の中途半端なクリアを山梨学院MF平松柚佑(1年)が右足ダイレクトで右クロス。DFラインとGKの間に飛び込んだ初先発の1年生FW川野が右足ダイレクトで決勝点を叩き出した。

 帝京三はこの日、選手権決勝でも先発している6選手が先発でピッチに立っていたが、相良和弘監督は「途中から(DFラインが)入れ替わられたり、考えてやる習慣が持続していない」と指摘。経験者たちを中心に全体的に良く守っていた印象の帝京三だったが、見え隠れしていたわずかな隙を突かれる形で敗れる結果となった。

 前半は後方からボールを繋ぐ山梨学院が、宮崎やMF加野瑛斗(2年)、MF野村海(2年)の仕掛けを交えて攻め込む。だが帝京三はコンパクトな陣形から局面局面で数的優位を作って対応。中盤でよくセカンドボールを拾い、前半に存在感のあった長身司令塔・MF平田和也(2年)の展開や、エースFW亀屋光二(2年)のポストプレーを軸に攻め返す。

 それでも山梨学院はエースFW宮崎が繰り返し仕掛けて敵陣でファウルを獲得。21分にはPA右外で宮崎が獲得したFKを加野が左足で蹴り込む。これをニアサイドへ頭から飛び込んだ川野が先制ヘッドを決めた。山梨学院はこの後、立て続けにシュートチャンスを作り出して畳み掛けようとするが、これを凌いだ帝京三がワンチャンスをゴールへ結びつける。

 26分、帝京三は敵陣でボールを奪い返すと、MF下村郁人(2年)がDFライン背後へループパス。これに走り込んだ亀屋が身体を投げ出しながらの右足ダイレクトボレーで合わせて同点に追いついた。

 後半は安部一雄監督が「(プレッシングがかかっていないため、)もうちょっと人の距離を縮めろと言いました」という山梨学院が立ち上がりにプッシュ。1分に野村、MF茂手木勇貴(2年)、右SB久保田真央(2年)が3連続でビッグチャンスを迎えたが、これを帝京三GK蓑田倖輔(1年)のビッグセーブに阻まれた山梨学院は、15分にも野村の右足FKがポストを叩く。敵陣でセットプレーを得てロングスローも放っていたが、チャンスを活かすことができない。

 逆にGK蓑田の好守に支えられた帝京三は前線で奮闘する亀屋を起点とした攻撃からチャンスを作り出し、敵陣でFKを獲得する回数も増加。そして、左SB村山勇平(2年)の左足キックでゴールに迫る。だが、中盤で平松が身体を張り、CB大石悠介(2年)やCB西澤俊(2年)が要所を締める山梨学院から2点目を奪うことができない。

 後半から強さを増した風に両校ともに苦戦。精度を欠くシーンも多かった。それでも風を計算して「ボールが流れるので一気に入れ替わるのは狙っていた」という川野の一撃で劇的な決勝点を奪った山梨学院が、接戦を制した。

 山梨学院の安部監督は「風も気にして浮き球の処理が上手く行かずに繋げなかったのもあるし、間延びしてしまったのもあるし、そこは修正しなければいけない。後ろ(の競り合い)でだいぶ勝てる部分が増えて来たんですけれども、もうちょっとちゃんと繋ぐというところの精度を高めていかないといけない」。まずは新人戦を制したが、課題はまだまだある。大黒柱のU-19日本代表FW加藤拓己(3年)が卒業する今年、ボールを繋ぎながら相手の背後を取る攻撃を目指しているチームは、その部分の精度などを向上させてプリンスリーグ関東や県内4冠に挑戦する。

(取材・文 吉田太郎)

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