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角田先制!井上2発!確認、共有しながらチーム作る日本高校選抜が、筑波大に3-0快勝

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2本目30分、日本高校選抜はMF井上怜が左足で豪快な一撃を決めて3-0

[2.8 練習試合 日本高校選抜 3-0 筑波大]

 U-18Jリーグ選抜と戦う「FUJI XEROX SUPER CUP 2018 NEXT GENERATION MATCH」(10日、埼玉)へ向けて埼玉合宿中の日本高校選抜が8日、筑波大と練習試合(30分×3本)を行い、CB角田涼太朗(前橋育英高)の先制ゴールとMF井上怜(市立船橋高)の2ゴールによって3-0で快勝した。

 対戦した筑波大は大学選抜組など主力が不在。それでも球際厳しく、決定機になりかけたシーンでも最後の一歩まで諦めずにシュートをブロックしたり、スペースを埋めてくるなどボール、ゴールに対する執着心が強く、高校選抜にとっては学ぶ部分も多い試合だった。

 高校選抜は1本ごとにメンバーを入れ替えながらのゲームに。4-4-2システムの先発はGK薄井覇斗(流通経済大柏高)、右SB後藤田亘輝(前橋育英高)、CB蓑田広大(青森山田高)、CB角田、左SB佐藤拓海(青森山田高)。中盤は田部井涼(前橋育英高)と宮本優太(流通経済大柏高)のダブルボランチで右SH菊地泰智(流通経済大柏高)、左SH井上。2トップは荒木駿太(長崎総合科学大附高)と圓道将良(旭川実高)がコンビを組んだ。

 こぼれ球を拾った田部井が右足シュートへ持ち込むなど立ち上がりから攻める高校選抜は8分、先制点を奪う。田部井が左足CKをゴールエリアへ入れると、GKがファンブルしたボールに圓道が反応し、最後は角田が左足で押し込んだ。

 筑波大へ進学する角田のゴールによって先制した高校選抜は、その後も田部井や菊地のパスなどから荒木と圓道が積極的にスペースを狙い、追加点を目指す。また守備面では自陣でのパスミスからシュート1本を放たれ、スペースを突かれたシーンもあったものの、高い位置からのプレッシングに加えて中盤、最終ラインのかかわりも良く、相手が攻めきる前にボールを奪い取っていく。

 2本目はGKが濱田太郎(初芝橋本高)、右SB後藤田、CB嶋中春児(長崎総合科学大附高)、CB石井優輝(昌平高)、左SB角田、そして中盤は青木真生都(東福岡高)と稲見哲行(矢板中央高)がダブルボランチを組み、右SH井上、左SH田中雄大(桐光学園高)、そして前線で荒木と菊地がコンビを組んだ。

 1本目終了後に平野直樹監督(履正社高)がフリーポジションや1タッチの意識、ピッチ上の全員が味方のトップの選手の位置を見ることを確認。稲見や青木が指示を遂行したことで1本目に比べて1タッチのパス交換が増えた高校選抜は、流動的な崩しや左サイドで圧倒的なプレーを見せていた角田の活躍などによってゴールへ迫る。

 そして24分、右サイドへの展開から後藤田が緩急をつけたドリブルで突破。最後はラストパスを井上が沈めて2-0とした。さらに30分には田中の左CKのクリアボールを井上が左足ダイレクトでゴール。平野監督も「ブラボー」と讃えた“ゴラッソ”でスコアは3-0となった。

 最終3本目はGK湯沢拓也(前橋育英高)、右SB嶋中、CB稲見、CB石井、左SB佐藤、青木と田部井のダブルボランチ、右SH井上、左SH田中、そして荒木と圓道の2トップへスイッチ。1、2本目同様に前線の荒木が運動量を示し、嶋中が球際で大学生を弾き飛ばすような強さを発揮する。そして井上や荒木がオープンスペースを突いて決定機に絡んだ。

 最終ラインがひっくり返されるようなシーンもあったが、素早いカバーリングで筑波大にシュートを打たせず。18分に井上と青木に代えて宮本と菊地を投入した高校選抜はGK陣のファインセーブに助けられることもないまま、無失点で90分間を終えた。

 高校選抜は3月末からの欧州遠征でデュッセルドルフ国際ユース大会(ドイツ)に出場。同大会で優勝を目指す。今回の合宿や「NEXT GENERATION MATCH」で自分たちのやるべきことを確認、共有し、課題を改善しながら欧州へ。平野監督は「こちらがやろうとしている方向性はみんなやろうとしてくれているので、あとは(個々の動きが)しっかり具現化していくための、チームのための動きになっていけばいい」とコメントした。

 この日はU-19日本代表のスペイン遠征から帰国したばかりのFW飯島陸(前橋育英高)がコンディション面を考慮されて出場せず。横浜FMのキャンプに参加していたCB生駒仁(鹿児島城西高)とFW町野修斗(履正社高)は8日夜の合流予定となっている。チームづくりはまだまだスタートしたばかり。角田は「海外へ行けばもっといい経験もできると思うので、そこへ行くまでに互角以上までにチームを持っていけたらいい」。全国4000校を超える高校サッカー部の代表選手たちが高校選抜でも厳しさと向上心を持って活動し、世界で勝つチームになる。

(取材・文 吉田太郎)
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