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[プレミアリーグEAST]プレミア復帰の流経大柏が清水ユースを完封! 負傷中DF関川は応援団長に

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清水ユースを1-0で下した流通経済大柏高

[4.7 高円宮杯プレミアリーグEAST第1節 流経大柏1-0清水ユース 味スタ西]

 高円宮杯プレミアリーグEASTが7日、東京都の味の素スタジアム西競技場で開幕した。第1試合では、2年ぶりのプレミア復帰を果たした流通経済大柏高(千葉)と昨季2位の清水エスパルスユース(静岡)が対戦。相手のオウンゴールで先制した流経大柏が清水ユースを押さえ込み、1-0で勝利した。

 『17対2』というシュート数が示したように、試合は一方的な展開となった。清水ユースの平岡宏章監督が「今日は完敗です」と振り返ると、流経大柏の本田裕一郎監督は「相手に何もさせなかったのは良かった」と満足げ。「内容的には面白くない」(本田監督)という展開まで含め、昨季の高体連トーナメントで最も優れた結果を残した流経大柏が理想的な試合運びを見せた。

 メインスタンドからピッチに向かい、右から左へと凄まじい強風が吹き付けた中での一戦。前半は風下となった流経大柏は、ボランチに入ったゲームキャプテンMF熊澤和希(3年)のロングスローを中心に、相手ゴールを何度も脅かす。前半23分には、熊澤のボール奪取から2トップの一角を務めたDF佐藤輝(3年)がドリブルシュートでゴールを狙った。

 さらに前半36分、敵陣左で獲得したFKを熊澤がクイックで縦に出すと、サイドを突破したMF中井颯人(3年)がクロスを配給。ニアサイドで佐藤が頭で合わせたが、惜しくも枠を外れた。指揮官が「負けん気が誰よりも強い」と認める佐藤は、同44分にもミドルを放ち、前半だけで両チーム最多5本のシュートを記録したが、いずれも得点には至らなかった。

 後半も風上となった流経大柏がペースを握ると、後半11分、ついに清水ユースのベンチが動く。ペルー出身FWノリエガ・エリック(2年)に代えて、快足ドリブラーMF望月勇伸(3年)を投入した。ところが、その後も流経大柏が圧倒的優勢をキープ。同12分から14分にかけて、FW芹田悠真(3年)が3度のCKで相手守備陣に圧力をかけた。

 すると後半15分、ついにスコアが動く。右からのスローイン位置に就いた熊澤がロングスローと見せかけ、近くのDF岩崎千里(3年)に渡すと、背番号2は右サイドをえぐって低く鋭いクロスを送る。ゴール前の味方は反応できなかったが、相手DFに当たったボールが右ポストに当たってゴールへ。オウンゴールという幸運な形で流経大柏が先制点を奪った。

 1点ビハインドを負った清水ユースは後半29分、ようやく攻めの形ができてくる。左サイドを突破したMF川本梨誉(2年)が鋭いシュートを狙うと、GK猪瀬康介(3年)がはじいたボールにFW東駿(3年)が反応。ボールにわずかに触れたが、軌道を変えることはできなかった。

 さらに後半33分、敵陣右で空中戦を競り合った川本がファウルと獲得すると、このFKをMF佐野陸人(3年)がキック。ファーサイドで川本が合わせるも、ボールは無情にも枠を外れた。その後はコーナーキープと選手交代を有効に活用し、時間を消費した流経大柏がシャットアウト。最後まで得点を奪われることなく、1-0で完封勝ちを収めた。

 開幕戦での白星スタートに「大きかったですよ。相手は優勝候補ですから」と喜ぶ様子を見せた本田監督。長期離脱のDF関川郁万がスタンドで応援団長として見守る中、昨季2位の相手に自由なプレーをさせず、「勝負にはこだわりましたよ。そうやって一戦一戦強くなるんだってね。負けたら選手たちは自信がつかないですから」とほほ笑みながら口にした。

 プレミア復帰戦で伝統の勝負強さを見せた流経大柏の次節の相手は、絶対的ライバルの市立船橋高(千葉)。試合に向けた意気込みを問われた指揮官は「一つも油断できないからね。緊張感があるゲームですから、子どもたちも良い経験になります」と相手を意識した言葉は語らず。「次節も頑張りますよ」と言い残し、スタジアムを後にした。

(取材・文 竹内達也)
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