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[プレミアリーグEAST]さすがの試合運び…優勝候補・市立船橋、昇格組の富山一に2発完封勝利

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待望の先制点が決まって喜ぶDF田谷澪斗(3年、背番号4)ら市立船橋高の選手たち

[4.8 高円宮杯プレミアEAST第1節 市立船橋高2-0富山一高 味スタ西]

 高円宮杯JFA U-18サッカープレミアリーグEASTは8日、味の素スタジアム西競技場で、第1節2日目を行った。第1試合では昨季7位の市立船橋高(千葉)と4年ぶりにプレミア復帰を果たした富山一高(富山)が対戦。後半に2点を奪った市立船橋が2-0で勝利し、開幕白星スタートを飾った。

 昨季の主力メンバーの多くが残り、優勝候補の一角に数えられる市立船橋。この日は前線にFW鈴木唯人(2年)、FW賀澤陽友(2年)、早生まれのFW西堂久俊(3年)を並べるフレッシュな布陣を採用したが、朝岡隆蔵監督が「前半は無難にやりすぎてしまった」と振り返ったように、5-3-2でがっちりと固める富山一に対して攻めあぐねる展開が続いた。

 それでも、サイドからの攻撃は随所で脅威となった。前半3分、右サイドを突破したDF松尾勇佑(3年)のクロスに西堂が反応。これは惜しくも枠を外してしまったが、同28分には左サイドの崩しから鈴木唯がつなぎ、賀澤のシュートが相手GKを襲った。また同40分、早くもボランチのMF鈴木稀裕(3年)を下げ、MF大関克弥(3年)を投入した。

 一方、富山一にとっては「がっちり守ってカウンター」というゲームプランに見合った展開となった。センターサークル付近に陣取るMF山田桂大(3年)を中心に、サイドを広く取って攻める相手に合わせて布陣をスライド。攻撃では前半23分、FW小森飛絢(3年)がボレーで狙うなど、「いくつかチャンスもあった」という速攻もたびたび披露した。

 スコアレスで迎えたハーフタイム、市立船橋ベンチは右サイドで再三突破を見せていた松尾に代えて、高速ドリブラーのDF畑大雅を投入する。すると後半2分、右サイドを突破した畑のクロスから右CKを獲得。これを西堂が蹴り込み、ファーサイドのDF岸本駿朔(3年)が頭で落としたが、鈴木唯のシュートは相手DFにブロックされた。

 勢いに乗る市立船橋は後半5分に岸本のヘディング、同10分にはMF岡井駿典(3年)のミドルがゴールを襲うが、いずれも枠外。ところが同23分、ようやくスコアが動いた。畑のクロスで獲得した右CKを大関がゴール前に送り、再び岸本が頭で落とすと、ニアの西堂もヘッドでパス。これをゴール前に入ったDF田谷澪斗(3年)がワンタッチで流し込み、貴重な先制点を奪った。

 ゲームプランが崩れた富山一は後半30分ごろから交代選手を次々に投入し、システムを4-1-4-1に変更して反撃を試みる。だが、次の1点も市立船橋に入った。同38分、右サイドを猛スピードで突破した畑がグラウンダークロスを送ると、ニアサイドに走り込んだ鈴木唯が軽く浮かせたワンタッチシュートで2点目。リードを広げたまま試合を締めた市立船橋が、今季初戦で勝ち点3を獲得した。

 終わってみれば、富山一のシュートは前半の1本のみ。朝岡監督は試合後、「試合運びが良かった」と選手を称えた。立ち上がりは動きの少ない流れになったが、「慎重に入らなければ、スピードある前線のカウンターが怖かった」と理解を示すと、「ゲームプランどおり。珍しく想定どおりに動いた試合になった」と胸を張った。

 一方、敗れた富山一は前回在籍時のプレミアWESTとは異なるチームと戦うプレミアEAST初陣を勝利で飾ることができず。大塚一朗監督は「改めることのほうが多かったが、しっかり引き込んで点を取らせないサッカーをしたい」と今後を展望。「見ているほうは面白くないかもしれないが、そういうことができるのがサッカーの面白さ。アップセットがあるので」と居並ぶ強敵との対戦を心待ちにしていた。

(取材・文 竹内達也)
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