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宇都宮短大附が初の栃木制覇。“レジェンドみたいな世代”1学年上の先輩への反骨心も力に

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宇都宮短大附高の先発イレブン

[5.13 関東高校大会栃木県予選決勝 宇都宮短大附高 1-0 佐野日大高 真岡市総合陸上競技場]

「一個上の世代がレジェンドみたいな世代で言われていた。自分たちの代は弱いと言われていた。それを見返してやろうと全員で臨みました」。宇都宮短大附高のゲーム主将CB佐藤優悟(3年)は1学年上の世代に対する反骨心も初Vの要因に挙げていた。

 今春卒業したMF赤澤蓮(現順天堂大)、MF大山玲(現専修大)らは1年時から主軸として活躍。彼らが2年時には初の選手権予選決勝進出を果たし、昨年も関東大会初出場を達成している。“派手”“花火のよう”と形容される彼らに対し、自分たちはどちらかというと“地味”で低い評価を受けていた。

 新チーム最初の公式戦となった県新人戦は初戦でPK戦の末に敗退。怪我人を抱えていたこともあったが、最悪のスタートになった。それでもFW谷俊輔(3年)が「決定力という部分で新人戦はなかなか点が取れなくて1回戦負けがあった。そこからチームを作り直して、関東獲れたので良かったです」と振り返ったように、課題改善に取り組んだ今大会は準決勝までの5試合で34得点を叩き出して決勝進出。そして、決勝を1-0で制して“レジェンド”たちの成績を上回った。

 主将のCB吉川義人(3年)は「みんなが同じ目標に向かっているから、互いに練習から切磋琢磨している。(部員が)170人いて選ばれた25人がしっかり責任もってピッチに立つことがきょう含めて今大会はできたと思います」と語っていたが、今年の世代は練習から切磋琢磨しながら成長。FWとアンカーを務め、9得点を記録した谷やCB佐藤、GK雨宮由和(3年)がチームを支え、CB長大樹(2年)らの台頭もあった。実力的にはまだ先輩たちに並んでいないかもしれない。それでも努力で掴み取った先輩超えの結果。次は先輩たちができなかった全国初出場に挑戦する。

(取材・文 吉田太郎)

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