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元浦和の父と同じ「19番」背負い続ける浦和学院MF内舘主将、最後の選手権で全国出場に挑戦

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父・秀樹氏と同じ19番を背負ってプレーする浦和学院高MF内舘和輝

[9.8 埼玉県1部L第14節 浦和東高 1-2 浦和学院高 埼玉第4G]

「3年間ずっと19番でやらせてもらった。この(高校サッカーの)舞台でも父親は活躍しているので、目標ですね」。浦和学院高のキャプテンマークを巻くMF内舘和輝(3年)の父は、浦和レッズで活躍したDF内舘秀樹氏。父が現役時代に背負っていた19番にこだわり、その番号を3年間背負い続けたMFが最後の選手権を迎えようとしている。

 この日の埼玉県1部リーグで内舘はダブルボランチの一角として運動量ある攻守。球際、セカンドボールの攻防で身体を張り、空中戦で強さを発揮していたMFは、中盤から味方の前線を追い越してゴール前に飛び出すようなシーンを増やしていた。

「自分はドリブルとか足元の技術があまりない。だから、走って2列目からの飛び出しだとか、みんなが競ってくれたセカンドボールを拾ったりすることを意識している。走ることについては負けたくないです。試合中に走って、自分のプレーを見ているみんなを盛り上げることもそうですけれども、普段の練習面などでもしっかり声をかけてスムーズに練習が進むように。あと、遅れている人がいたら、しっかり後ろから支えられるように、みんなを支えられるようにしたい」

 走ることにこだわるチームリーダーはこの日、コンビを組むMF本田彪(2年)とともにハードワークを続けて強豪対決勝利に貢献。尾間木中時代から田島中の内舘とライバル関係にあったという10番MF高橋航大(3年)は、内舘について「尊敬です」と語り、本田は「キャプテンが走るので負けないように」と口にする。背中でチームを引っ張り、周囲に気を遣って支える主将は、浦和学院に良い意味での影響を与えているようだ。

 父・秀樹氏は、内舘が小学校低学年の時に現役引退。父のプレーの記憶はあまりないというが、それでも内舘は父からの的確なアドバイスを自分の力にしてきた。「DFを務めていた時にボールを置く位置とか、ボランチになってからも見ている範囲が最初慣れていなくて狭かったりしたので、遠くとかを見てしっかり繋げるようにとか教えてもらいました。ありがたいです」と口にする。

 その父からは「いつも、(先を見るのではなく)一試合一試合のことを言われている」と内舘。最後の選手権も一試合一試合全力で戦い抜くつもりだ。その上で「チームとして勝ちに行かないといけない大会。本当に勝ちたいです」。浦和学院は選手権埼玉県予選のダークホースの一つ。目標とする父が浦和北高時代に立つことができなかった全国舞台まで勝ち上がって、3年間指導してくれた元日本代表FWの森山泰行監督や、父に恩返しする。

(取材・文 吉田太郎)
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