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[MOM2636]昌平MF原田虹輝(3年)_インハイでブレイク、J練習参加の注目ボランチが決勝FK弾!

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1-1の後半45分、昌平高MF原田虹輝が直接FKを決めて決勝点

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[10.7 埼玉県1部L第16節 昌平高 2-1 浦和東高 昌平高G]

 昌平高の指揮を執る藤島崇之監督が「(彼のあのようなFKは)初めて見ました」と驚き、蹴った本人も「自分でもビックリしました。FKは初めてでした」という決勝FK弾。インターハイ全国3位の昌平は、1-1の後半45分に注目ボランチMF原田虹輝(3年)が直接FKを決めて競り勝った。

 左中間でボールをセットした原田は右上隅に狙いを定めて右足シュート。「強く蹴りすぎたかなと思いましたが、上手く落ちてくれました」というボールは美しい放物線を描いてゴール右上隅に吸い込まれた。

 好守を見せていた浦和東高GK野本高嶺(3年)も“ノーチャンスだった一撃”。ボランチの位置から繰り出すドリブルと得点力によってブレイクしたインターハイ後に神戸や川崎Fに練習参加し、上で戦うための課題を体感してきたMFが、この日も勝負を決める力を見せつけた。

 インターハイ後は評価されたドリブルを「意識しすぎたのがあった」(藤島監督)ことによって、ボールロストする回数が増えていたという。それでも、キック精度の高さも武器とするボランチはパスとドリブルを判断良く使い分ける感覚を取り戻して活躍中。「さばいて相手動かして、隙があったらその間に入っていくイメージで動きました」というこの日もドリブルやスルーパス、サイドへ流れてのクロスなどでゲームを支配し続けていた。

 練習参加では神戸のMFアンドレス・イニエスタや川崎Fの大島僚太、MF中村憲剛をはじめとした名手たちのプレーを間近で確認。彼らだけでなく、Jリーガーたちのパススピードの速さとボールを止める技術の高さに差を感じたという。「トラップは練習参加した時に全然止まらなくて、『もっとやって来い』と言われたのでトラップは意識してやっています」。プロのスピード感の中で学んだ課題は早速ピッチで改善してきている。

 インターハイやJクラブへの注目度を高め、自身の意識も変わった。「試合でも常に見られていると感じるので、ミスなしでということを心掛けてやるようになりました」。オファーを得られれば、高校から直接プロ入りする考え。評価を勝ち取るために、今後も結果を残し続けるだけだ。

 この日は存在感ある動きをし、試合を決めるFK弾も決めたが、相手を攻めあぐねて攻撃が停滞する時間帯もあっただけに反省。修正して間もなく始まる選手権予選に臨む。「インターハイで力つけてきたので、最後選手権で日本一取りたいですし、そこで負けたらそこまでなので、埼玉県厳しいですけれども勝ち抜きたいですね」。プロ入りともう一つの目標である選手権日本一。トップレベルを経験しながら進化するボランチがこの秋、冬に2つの夢を叶える。

(取材・文 吉田太郎)
●【特設】高校選手権2018

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