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ヨーロッパ遠征に挑戦へ!!チャンス掴んだ「高校生ファントム」の正体に迫る #ファントムを探せ

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ファントムの称号を手にしたMF高木一史(JFAアカデミー福島U-18、2年)

 ナイキフットボールから、新たなスパイク「ファントム ビジョン」が登場した。「ファントム」とは決められた役割で動くのではなく、ゲームを掌握し、決定的な仕事をこなすプレーヤーのことだ。相対した選手は、まるでファントム(ゴースト)に襲われたかのように感服するしかなくなってしまう。そんな得体の知れない「ファントムプレーヤー」は日本に存在するのか。「ファントムキャンプ」では1人の高校生ファントムが発掘された。

 9月下旬に1泊2日の合宿で行われたファントムキャンプ。全国各地から集められたライバルに違いを見せ、映えある「ファントム」の称号を手にしたのは、JFAアカデミー福島U-18のMF高木一史(2年)だった。「ここに来る前から狙っていて、『可能性がなくはないな』と思っていた」。イメージどおりの活躍で、ヨーロッパ遠征への参加権を手にした。

 2001年に岐阜県で生まれ、小学1年時に垂井SSSでサッカーキャリアをスタート。地元のFCヴィオーラを経て、中学1年生でJFAアカデミー福島に加入した。拠点とする静岡県には親元を離れて向かったが、「最初はどういうところか分からず緊張したけど、行ってからは大丈夫だった」。中学3年時には日本クラブユース選手権(U-15)で全国準優勝に輝いた実績を持つ。

 その一方、高校1年時の国体代表では“最強世代”の清水エスパルスアカデミー組に後塵を拝するなど、選抜チームとは無縁のサッカー人生を送ってきた。「清水に負けないという気持ちはあるけど、国体や世代別代表に選ばれるにはまだまだ実力が足りないと思っていた」。所属チームで努力を続けながら、ひっそりと自身のスキルを高めてきたという。

 そんな高木が発掘されたのが、ナイキフットボールのファントムキャンプ。高い左足の技術を生かしたパスと、安定した体幹に支えられたボールタッチで頭角を表し、トレーニングマッチではボランチと左サイドハーフで存在感を示した。「いつもよりトラップ、パスの調子が良かった。自分の武器を発揮できて良かった」と緊張感のある中で勝負強さも見せた。

 スペシャルゲストの岩政大樹からも高評価が下された。ファントムの条件を「ギリギリで判断を変えられることができる選手」と分析していた岩政は、高木については「パスを出す瞬間まで2つ、3つの選択肢を持っていて“反応”でプレーしている。相手の立ち位置、重心を見ながら、瞬間的に判断を変えながらプレーできる選手」と称賛を送った。

 そんな能力はどのようにして育まれたのか。高木は「自分一人で打開できる選手じゃないので、味方を使って縦パスを入れてもらったりして、チーム全体でどう攻めるかを考えている」とプレービジョンを語る。目標にしているのはレアル・マドリーのMFトニ・クロース。チーム全体をオーガナイズしたうえで、正確なパスで相手を陥れるのが目指す場所だ。

 とはいえ、まだまだ足りない部分があることは自覚している。「さっき岩政さんに『周りは見えているけど、もっとボールを運ぶ選択肢を持ったほうがいい』と言われた」(高木)。ファントムプレーヤーのMFケビン・デ・ブライネ(マンチェスター・シティ)、MFコウチーニョ(バルセロナ)に代表されるように、現代サッカーの中盤選手は自らのドリブルで局面を打開しなければならない場面がある。

「小学5年生までドリブラーだったけど、小6くらいからパスが楽しくなってきていまのスタイルになった」。そう過去を振り返る17歳にとって『運ぶ』プレーは原点に立ち返るもの。「日々の積み重ねが、大事なチャンスで実力を発揮できるかどうかにかかってくる。誰も見ていない時の積み重ねを意識しながら挑戦していきたい」と日々のトレーニングから意識していく構えだ。

 高木にとって当面の目標は「2年連続で全国大会(日本クラブユース選手権)を逃してきたので、僕たちの代で出場すること」。そのためには「ゲームを掌握し、決定的な仕事をする」というファントムらしさをさらに磨いていく必要がある。ここでの活躍によってヨーロッパ遠征の機会も勝ち得た高木は「今後のサッカー人生に関わってくる貴重なチャンス。そこでしっかりと掴めるように頑張りたい」と決意。一人のファントムプレーヤーが世界への階段を上り始めた。

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