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[MOM2728]鹿島ユースMF前田泰良(3年)_青森山田のゲームプラン崩す先制弾

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前半12分、ドリブルで持ち込んだ鹿島アントラーズユースMF前田泰良主将が右足シュートを決める

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[11.25 高円宮杯プレミアリーグEAST第16節 青森山田高 1-1 鹿島ユース 青森山田高G]

 優勝決定こそ次節以降に持ち越しとなったが、首位・鹿島アントラーズユースにとっては大きな勝ち点1だ。2位・青森山田高との直接対決で“最低限”のドロー。勝利して勝ち点1差にしたかった青森山田のシナリオ、そのゲームプランを崩したのがMF前田泰良主将(3年)の先制点だった。

 前半12分、鹿島は敵陣中央での空中戦を連続で制すと、前を向いてボールを拾った前田がドリブルで一気に加速する。右前方へボールを運んだ10番は、そのまま右足一閃。グラウンダーの鋭いシュートをゴール右隅に突き刺した。

「リスクをかけないサッカーをしている中で自分の前にいいボールがこぼれてきて、立ち上がりということもあり、思い切ってシュートを狙っていこうと思っていました。コースはいいところに行ったと思います」

 相手のU-19日本代表CB三國ケネディエブス(3年)が股間を通されることを警戒し、一瞬対応が遅れた隙を見逃さなかった。同時に大型DF三國によってGKの視界が限定されることも見越して放った一撃。主将が1チャンスをものにしたことでチームは楽になり、0-0で試合を進めたかった青森山田は苦しい状況に陥ることになった。

 いい形でボールを持つ回数こそ少なかったが、前田は迫力のある仕掛けも。また、先制点に加え、1-1の後半アディショナルタイムに自陣ゴール方向へこぼれたボールをクリアするなど、この試合は結果を左右するような局面で彼のビッグプレーがあった。

 残り4分で追いつかれてから敵陣でボールキープするなど、苦しい時間帯でもチームの支えに。「みんな苦しいところで自分が時間つくったり、引っ張っていくプレーが仲間に勇気を与えると思う」というリーダーの存在感が光った一戦だった。

 失点したことを反省しつつ、我慢強く戦ったチームメートを讃えた前田は「全員が勝利に向かってプレーできてポジティブな勝ち点1と捉えていきたい」。運動量と得点にこだわる前田が一週間後の“優勝決定戦”でもチームを勇気づけるプレーをする。

(取材・文 吉田太郎)
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