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Jユースカップ優勝で自信を深める横浜FMユース、直接対決で下した大宮ユースとともにプレミア参入戦へ

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MF椿直起のゴールで横浜FMが自力でプレミア参入戦進出を決めた

[12.9 プリンスリーグ関東第18節 横浜FMユース1-0大宮ユース ニッパツ]

 プリンスリーグ関東の今季最終節となる第18節が9日に行われ、3位の横浜F・マリノスユースが2位の大宮アルディージャユースに1-0で勝利した。横浜FMユースは勝ち点を29に伸ばして2位に浮上。勝ち点28の大宮ユースは前橋育英高に同勝ち点とされたが、得失点差で大きく上回り、3位でプレミアリーグプレーオフ進出を決めた。

 1年でのプレミアリーグ復帰を目指す両チームが、まずは第一関門を突破した。ともに勝てば自力でのプレミアリーグプレーオフ進出を決めることができるチーム同士の直接対決。ただし大宮ユースは前節で“ライバル”となっている前橋育英高に4-0と大勝したことで、参入戦出場圏内となる3位以上をほぼ手中におさめていた。

 試合は絶対に勝ちが欲しい横浜FMユースが、序盤から攻勢を仕掛けた。前半12分のMF榊原彗悟(3年)のミドルや、同16分のFW津久井匠海(1年)の右クロスに合わせたMF土佐陸翼(3年)のヘッドが枠外に外れるなど、なかなかゴールネットを揺らすことは出来なかったが、主導権を握り続ける。

 そして前半31分、キャプテンがきっちりと役割を果たす。MF岩澤桐人(3年)からのリターンパスを受けた主将MF椿直起(3年/横浜F・マリノス内定)がドリブルでエリア内に侵入。勢いに乗ったままDFを外すと、左足を一閃。強烈シュートを右隅に突き刺し、先制点を奪った。

 後半に入ると大宮ユースも盛り返すが、高い集中力を保つ横浜FM守備陣が跳ね返し続ける。今季18得点を決める相手エースでトップ昇格を決めているFW吉永昇偉(3年)に、なかなか前を向かせない。

 逆に後半28分、カウンターから津久井が右サイドを持ち込み、土佐、椿と立て続けにシュートチャンスを迎える波状攻撃を生み出す。追加点こそ奪えなかったが、安定した試合運びで無失点で耐え抜き、絶対に必要だった勝ち点3をもぎ取った。

 横浜FMとしては引き分け以下に終われば前橋育英、敗れれば東京Vユースまでの結果を気にしなければいけない状況だった。しかし西谷冬樹監督は、選手たちに一切情報を伝えることなく、自分たちのサッカーに徹することに集中させた。「今日はみんな気合が入っていた。自分たちのサッカーをやろうと練習から取り組んでいる。指導者冥利に尽きる。今日も素晴らしかった」。

 今季序盤は勝ち負けを繰り返した横浜FMユースだが、先月行われたJユースカップを優勝。10月7日のプリンスリーグの三菱養和SCユース戦から公式戦10連勝で、プレミア参入戦に滑り込んだ。主将MF椿も「最近は自分たちでも『こんな強いチームだったっけ?』みたいに思う」と素直な感想を漏らすが、トーナメント戦の大一番を迎える前に負ける空気がないというのは何よりの強み。勢いは一番だ。

 ただ一週間後に迫った広島での2連戦に連勝しなければ、本当の歓喜の瞬間は訪れない。西谷監督も「プレミアリーグ昇格が大きな目標。調整というよりは個人としての質を上げて、チームとしての精度を上げていきたい」と力を込めると、「自分たちのサッカーが出来れば負けない」と自信を深める椿も同様に、「勝ちに行くだけ。一試合一試合、決勝戦のつもりで頑張りたい」と気合を入れ直した。

(取材・文 児玉幸洋)
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