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選手権の“主役候補”桐光学園FW西川がU-19代表初招集。「悔しさを覚えた」ライバルたちに挑戦

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桐光学園高のU-19日本代表FW西川潤は高速ドリブルなどで相手DFの脅威に

[12.9 高円宮杯プリンスリーグ関東第18節 三菱養和SCユース 1-1 桐光学園高 三菱養和会 巣鴨スポーツセンターG]

 選手権の“主役候補”は、また進化して帰ってくる。桐光学園高(神奈川)FW西川潤(2年)はAFC U-16選手権(9月~10月)でU-16日本代表の10番を背負い、アジア制覇に貢献。大会MVPに選出された。その後の選手権神奈川県予選は4戦4発。中でも準決勝で1ゴール3アシスト、決勝も1ゴール1アシストと抜群の活躍を見せたFWは今月7日、ブラジル遠征(12月13日~23日)を行うU-19日本代表メンバーに初選出された。

 選手権前の大事な時期でもあるが、快く送り出した鈴木勝大監督は彼が成長して帰ってきたアジアの戦い同様に、ブラジルでまた進化して帰ってくることを期待する。本人は同じブラジル遠征メンバーで、同学年のFW斉藤光毅(横浜FCユース)やFW久保建英(横浜FM)に対し、ライバル心を持つ。U-19代表入りを聞いて「びっくりした」と同時に、「やってやろうという気持ち」になったことを明かした。

 ともに2001年生まれの斉藤と久保は同じ学年だが、彼らは今年、U-19日本代表としてAFC U-19選手権(10月~11月)を戦い、U-20W杯出場権獲得の力に。いずれも全5試合に出場し、斉藤は3戦連発、久保も初戦で勝ち越しFK弾を決めるなど、攻撃の中心として活躍している。

 一方で2002年の早生まれである西川はU-16代表としてのプレー。同代表のエースとして自覚を持って戦い、結果を出した一方、テレビを通して見たU-19代表の2人に悔しさを覚えたのだという。

「19の最終予選を見て、同じ世代の人間が試合に出て結果を出しているということに対して悔しさを覚えましたし、負けていられないな、負けずにやってやろうという気持ちで日頃の練習をやっていました」。そして訪れたチャンスに本人は気持ちを高ぶらせている。

 ブラジル遠征出発前最後の公式戦となったこの日は立ち上がり、前線へ送られた浮き球に反応。やや不利な状況だったにもかかわらず、強さと巧さでDFと入れ替わってキープし、スルーパスで先制点の起点となった。その後も厳しいマークを逆に活用してパスをさばき、自ら仕掛けるべきところは仕掛けて相手の守りに穴を開けていた。

 一方で本人も「周りを活かすだけでなくて、決めるところはもっと求めていかないといけない」と反省していたように、試合終了間際の左足シュートと左足FKを含めて決めきることが出来ず無得点。ややボールが跳ねるピッチへの対応が遅れ、ボールに絡めない時間帯もあった。それでも一人で局面を変えてしまう180cmレフティーが、相手にとって最も脅威になっていたことは間違いない。

 そのFWは選手権での活躍の前に、ブラジルでU-19代表の選手やサッカー王国の才能に挑戦。「この一年、積み重ねてきたものだったり、自分が反骨心を持ってやってきたことがどこまで通用するかということと、上の世代でやるということで周りはプロですけれども物怖じせずにやっていきたい」という西川が、飛び級招集されたU-19代表のメンバー争いでアピールし、より自信をつけて選手権を迎える。

(取材・文 吉田太郎)
●【特設】高校選手権2018

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