[12.14 プレミアリーグプレーオフ1回戦 鳥栖U-18 0-3 大宮ユース 広島補助]

　高校年代最高峰のリーグ戦への参入をかけた高円宮杯JFA U-18サッカープレミアリーグ2018プレーオフは14日に1回戦を実施。サガン鳥栖U-18(九州1/佐賀)と大宮アルディージャユース(関東3/埼玉)の一戦は、FW吉永昇偉(3年)の先制点を皮切りに3点を奪った大宮ユースが3-0で勝利した。16日の2回戦では、東海大仰星高(関西1/大阪)と対戦する。

　終わってみれば大宮ユースの快勝となったが、試合展開は決して楽ではなかった。今季の課題となっていた立ち上がりの悪さが露呈し、キックオフ直後は不安定なプレーを披露。前半4分には、PA内で鳥栖U-18のDF大畑歩夢(2年)を倒してPKを献上したが、このピンチをGK久保賢也(2年)が防ぎ、失点を回避した。「決められたら相手に流れを持って行かれるかなと思った所で、賢也がしっかり止めてくれた。そこで失点しなかったのが凄く大きかった」(MF安島樹、3年)。

　ピンチを凌いでからの大宮ユースは、時間の経過と共に攻撃の質が向上。今年は夏の日本クラブユース選手権(U-18)を含め鳥栖U-18と2度対戦しているため、相手がどんなサッカーをしてくるかはよく分かっている。「鳥栖さんは前からアグレッシブに守備をしてくるチームなので、僕らは出来るだけ相手の背中を意識しながら、背中を警戒してくれば手前を意識するようにした」。丹野友輔監督のコメント通り、横パスと縦パスを上手く織り交ぜながら、チャンスを作った。

　狙いが見事にハマり、前半27分にMF渡辺俊介(3年)の左クロスをゴール前の吉永が頭で叩き込み、先制に成功。アディショナルタイム1分にもカウンター返しから、FW高田颯也(2年)が相手エリアの左を抜け出し、2点目をマークした。

　後半は逆転を狙った鳥栖U-18の勢いに飲まれる時間もあったが、「3年生になって逞しくなった」(丹野監督)DF森侑里(3年)を中心に確実に跳ね返し、大宮ユースは無失点を維持。「高田が追加点を奪ってくれたことで、後ろも安心して守備が出来るようになった」(安島)と、心理面でも優位に立ちながら、時間を進めていく。すると、後半11分に前半同様にスピードを活かした仕掛けでゴール前に抜け出した高田が、この日2点目を奪って勝負あり。3-0で試合を終えた大宮ユースが白星を手にした。

　1年でのプレミア復帰を目指す大宮ユースは、プレーオフに出場するために必要なプリンスの勝ち点を『30』に定めていた。惜しくも最終節で横浜FMユースに敗れ、目標とする数字にはわずかに届かなかったが、勝ち点28で3位を確保。この日の勝利で復帰まであと一歩の所まで迫っている。

　2回戦では、この埼玉で留守番をしていたメンバー外の選手も応援にかけつけるため、選手のモチベーションが更に高まるのは間違いない。安島が「昨年も僕たちの代の多くが試合に絡みながら、降格という悔しさを味わった。後輩たちにプレミアという舞台で戦って欲しいので、後一つチーム一体となって勝ちに行きたい」と意気込むように、一丸となって2勝目を狙いにいく。

(取材・文　森田将義)

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