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力を結集して勝ち取ったタイトル。広島ユースの選手たちが沢田監督を胴上げ

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サンフレッチェ広島ユースイレブンが表彰式後、沢田謙太郎監督を胴上げ

[12.15 プレミアリーグファイナル 鹿島ユース 1-2 広島ユース 埼玉]

 決勝点となるPKを決めたMF大堀亮之介(3年)が「とにかく澤田さんを胴上げしたいという気持ちだった」と口にすれば、MF松本大弥主将(3年)も「(1学年先輩で現トップチームの)川井(歩)くんとか先輩たちに『澤田さんを胴上げしてくれ』と言われていた。良かった」と微笑む。サンフレッチェ広島ユースは2年ぶりに挑戦したプレミアリーグファイナルを2-1で勝利。表彰式後、沢田謙太郎監督が選手たちの手で宙を舞った。

 広島ユースは9日、プレミアリーグWEST最終節で勝ち点1差の2位・京都U-18と直接対決。6-1で大勝して優勝を決めたが、そこで気持ちを切らさず、この日のファイナル制覇へ切り替えてきた。

 大堀は「先週(京都U-18戦が)終わって『寮に帰ったら切り替えよう』と言っていて、寮に帰った瞬間には(ファイナルで対戦した)鹿島の動画見たり、次の試合へ向けていたので良かった」と説明する。選手たちも自負する充実の一週間を経て迎えたファイナル。9,818人の観衆が見守る中での戦いで、さすがに序盤は緊張している感もあった。

 だが、いずれもトップチームに昇格する松本とMF東俊希(3年)がその落ち着きをチーム全体に浸透させる。沢田監督が「(自分たちで)落ち着いたのは驚いた」と話していたが、大一番でペースを握った広島はFW鮎川峻(2年)と大堀のゴールで2点を先取。後半、鹿島ユースのパワフルな反撃を跳ね返すのは難しいことが分かっている中、彼らはそれを全員でやり切った。

 沢田監督も「本当にいい試合をしてくれたと思います」と選手たちを称賛していた。広島ジュニアユースの監督からユース監督に転向して4年目の沢田監督は、トップチームに選手を押し上げること、サンフレッチェ入ってサッカーをしたいと思わせるようなチームになり、結果を出すことも求めてきた。これまで悔しい敗戦も経験しながら、チーム全員が力を結集する必要性を再確認。今年、チームが一丸となって戦い抜き、日本一になったことを素直に喜んでいた。

「今年はリーグも含めてだいぶキツイなと思った時期もありながら、そこを乗り越えて、最終戦で(プレミアリーグWEST優勝を)決めて、きょうを迎えて、きょうもたくさん危ないシーンがありながら何とかみんなでやったということは、今までサンフレッチェが大事にしてきたものを少しでも引き続き繋げることができるんじゃないかというか、少し安心しています」

 指揮官の想像を超えるくらいに逞しく成長した選手たちが、日本一を勝ち取るための準備をし、強敵を倒して掴んだ栄冠。優勝を成し遂げるために学んだもの、得たものを来年以降に引き継ぎ、広島ユースは強さと優れた選手育成の両方を求め続ける。

(取材・文 吉田太郎)
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