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[NB CUP]圧倒して静岡を突破するチームに。静岡学園が決勝4発で“裏選手権”制す!

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NEWBALANCE CUP 2018 inTOKINOSUMIKAは静岡学園高が制した

[1.6 NB CUP決勝 日大藤沢高 1-4 静岡学園高 時之栖裾野G]

“裏選手権”は静学が制す! NEWBALANCE CUP 2019 inTOKINOSUMIKA(通称:裏選手権)は6日午後、決勝戦を行い、静岡学園高(静岡)が日大藤沢高(神奈川)に4-1で逆転勝ち。市立船橋高(千葉)や山梨学院高(山梨)、京都橘高(京都)、関東一高(東京)など選手権出場を逃した強豪48校を中心に行われた“裏選手権”は、7試合で計22得点を叩き出した静岡学園が頂点に立った。

 序盤、ボールの握り合いで優位に立った静岡学園だが、先制したのは日大藤沢の方だった。前半12分、MF斉藤夏(1年)の左CKをニアのCB青木駿人主将(2年)が頭でゴール右隅へ流し込む。1年時に全国ルーキーリーグ交流大会で“日本一”に輝いている注目世代の日大藤沢がリードを奪った。

 日大藤沢は3分後にもショートカウンターから右SB古谷陸(2年)が決定的な右足シュート。だが、静岡学園もセットプレーでゴールを奪い返す。21分、MF小山尚紀(2年)がPAへ潜り込んで放ったシュートで左CKを獲得。MF浅倉廉(2年)が右足でボールを入れると、ニアの左SB中辻涼雅(2年)が頭で合わせて同点に追いついた。

 気温が下がり、あられも降る中で行われたファイナル。日大藤沢はMF布方叶夢(2年)のアーリークロスや青木の縦パスなどからあわやのシーンも作る。だが、静岡学園は高い守備能力を発揮していたCB阿部健人(2年)やCB江本一真(2年)を中心に2点目を許さず。逆に相手のプレッシャーを冷静に見極めながらボールを前進させる。

 静岡学園はMF西谷大世(2年)や浅倉を中心にリズムよくボールを動かし、小山やU-17日本代表MF松村優太(2年)らが積極的な仕掛けを見せていた。そして前半39分、右CKのクリアを拾った中辻がPAで仕掛けてPKを獲得。これをFW奥田友惟(2年)が右足で決めて逆転した。

 静岡学園はさらに後半10分、左CKのクリアをMF岩野寛太(2年)がPAへ跳ね返す。これを右SB田中太晟(2年)がかかとで流すと、最後は小山が右足で決めて3-1とした。

 日大藤沢の佐藤輝勝監督は「学園のテクニック、ボール保持を警戒しすぎましたね。もっと行っていいのにね」。自分たちのテクニックで勝負していた静岡学園に対し、日大藤沢は守備で受け身になってしまい、奪った後もなかなか主体性を持った攻撃をすることができず。自らリズムを崩してしまっていた。

 静岡学園は25分にも敵陣でボールを奪い返したMF関俊哉(2年)が右足シュートを決めて4-1。日大藤沢は30分、右CKからCB宮川歩己(1年)がヘディングシュートを狙うもGK北口太陽(2年)にわずかに触られ、ポストを叩いてしまう。終盤、日大藤沢は個の突破やショートコンビネーションにチャレンジし、FW鈴木輪太朗イブラヒーム(1年)がシュートに持ち込むなど良さを見せていたが、最後まで攻める姿勢を失わずに戦った静岡学園が優勝した。

 静岡学園の齋藤興龍コーチは「ボールもしっかり繋いで、自分たちのリズムを作りながら勝負していたので。これを積み重ねていきたい」と語っていたが、多くの選手を試しながら、質にもこだわり、内容のある優勝となった。

 昨年はプリンスリーグ東海で独走V。だが、静岡県内の大会では警戒されて守られる中、攻撃で上回ることができずに夏冬の全国出場を逃している。それだけに、激戦区・静岡県の全てライバルを3点差、4点差以上で破るくらいの力を求めていく。「『何ともならない』と言われるくらいになりたいですね」と齋藤コーチ。また、松村が「県内は圧倒して勝たないと、全国になるともっと強いチームが出てくる」と語ったように、静岡で突き抜けたチームになることが目標の日本一へ近づくことにも繋がる。

 そして、小山は「取れるタイトル全部取って、静学のサッカーで勝ち残って行けたら思います」。今回の優勝からもっともっと磨きをかけて、静学らしくテクニックとアイディア、インテリジェンスでライバルたちに大差をつけるチームになる。

(取材・文 吉田太郎)

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