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日本高校選抜は決定機逸し、専修大に敗戦。課題改善しながら向上し続ける

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1本目、PA深く切れ込んだ日本高校選抜FW宮崎純真(山梨学院)が右足を振り抜く

[2.14 練習試合 日本高校選抜 0-2 専修大]

 埼玉県内で強化・選考合宿中の日本高校選抜は14日午後、専修大と練習試合(25分×4本)を行い、0-2で敗れた。強化と同時に4月の欧州遠征メンバー18名の選考も並行して行っている日本高校選抜は、15日に流通経済大との練習試合、16日にU-18Jリーグ選抜とのNEXT GENERATION MATCH(埼玉)に挑む。

 チームとして一歩一歩成長していることは間違いない。この日、関東大学1部の強豪・専大のトップチームとの練習試合に臨んだ日本高校選抜は、決定機を逸したことが響いて無得点で敗戦。ただし、選手たちは攻守での可変システムなど高校選抜の戦い方を理解、表現しようと務めている。ビルドアップの質は少しずつ向上し、試合の中で共通理解を深めていた守備面もコーチングや準備の意識から変化。朝岡隆蔵監督(市立船橋高)が「破綻するような守備のバランスではなかった」と及第点を与える内容の守備を見せた。

 前夜にいわきFCのハワイ遠征から帰国したばかりのMFバスケス・バイロン(青森山田高3年)も先発した1本目は、GK飯田雅浩(青森山田高3年)の好セーブやDF陣の好守もあって無失点。10番MF西川潤(桐光学園高2年)のドリブル突破や、FW宮崎純真(山梨学院高3年)の抜け出しからシュートチャンスも作った。

 2本目は相手DFラインの背後を取る意識と精度が高まり、MF天笠泰輝(青森山田高3年)のスルーパスからFW佐々木銀士(青森山田高3年)が決定的な形で抜け出したほか、左SB水野雄太(大津高3年)がドリブルで一気にPAまで侵入するシーンや、積極的にシュートへ持ち込んでいたFW染野唯月(尚志高2年)がロングスシュートを狙うシーンもあった。

 連動した守備でボールを奪い切っていたが、一方で所属チームの公式戦ではないようなプレスバックの遅れも。10分に失点し、選手たちは朝岡監督から甘さの部分を指摘されていた。天笠が「守備のところで戸惑っているところがある」と分析する日本高校選抜は、3本目開始直後にもゴール方向へのクロスをクリアしきれずに2失点目。右SB松尾勇佑(市立船橋高3年)と左SB豊島基矢(青森山田高3年)の攻め上がりからチャンスも作った日本高校選抜だったが、MF中田青(富山一高3年)、宮崎と繋いでPAへ飛び込んできた松尾の右足シュートがクロスバーを叩くなど1点が遠い。

 1点を返して勢いづきたかった日本高校選抜だったが、接点の部分で相手を下回ったり、最後の局面での判断の遅れやミスが出るなど4本目も得点することができない。FW須藤直輝(昌平高1年)や宮崎が抜け出しやDFのマークを外してから決定的なシュートを打ち込むなど1点を狙い続けたが、相手GKの好守の前に無得点のまま試合を終えた。
  
 このチームの大目標は4月の欧州遠征、第57回デュッセルドルフ国際ユース大会(ドイツ)での優勝だ。そして重視しているのは「(将来へ向けて)色々な刺激をこの選抜で受けてほしい」(朝岡監督)ということ。すでにJクラブへ進んだ選手や来年のJ加入が有力視される選手だけでなく、将来性豊かな各選手たちは先を見据えて、今ある課題に全力で取り組む。
 
(取材・文 吉田太郎)
●【特設】高校選手権2018
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