beacon

[船橋招待U-18大会] 桐光学園はボランチから転向の大型CBが台頭。奈良坂「『今年の桐光、CBが劣っているな』と言われないようにしたい」

このエントリーをはてなブックマークに追加

桐光学園高期待のCB奈良坂巧

 18年インターハイ準優勝校の桐光学園高(神奈川)に大型CBが誕生している。昨年、ボランチとしてAチームで少しずつ経験を重ねていた184cmDF奈良坂巧(新2年)が、CBに挑戦中。昨年の秋頃から挑戦してきたというポジションでポテンシャルの高さを示している。

 ボランチとしての奈良坂は中盤の攻防戦での強さや高さ、展開力を発揮していたほか、ダイナミックな攻め上がりからゴールを奪う特長があった。CBの経験はまだまだ浅いが、本人は「(自分の良さである)競り合いやコーチングの部分はボランチの時よりも出しやすい。(ゴールキックを跳ね返す部分など)自分の強みを見せられるのがCBかなと思います」というCBでの挑戦について非常に前向きだ。

 第24回船橋招待U-18大会(3月29日~31日)の初戦で前橋育英高を完封。押し込まれてゴール前で守る時間帯も多く、セットプレーからもゴールを狙われる展開だったが、無失点で守りきったことは自信になった。だが、相手の切り替えの速さに苦戦し、持ち味のロングフィードでミスも。それだけに「あれを基準にしてやれるくらいじゃないと通用しないかなと思う」と反省していた。

 CBでのプレーについては、石橋清一コーチらに落とし込んでもらい、昨夏の全国準Vの立て役者だったCB望月駿介主将とCB内田拓寿からクロスのポジショニングやゴール前での身体の投げ出し方などを学んだ。今や、鈴木勝大監督からも大きな期待を背負うCBに。奈良坂は2人に対して「何か月かだけで全然違う自分になれたので、恩返しできたらいいなと思います」と感謝し、「去年は偉大な先輩がいて、あの2人をイメージする人が多いと思うので、『今年桐光、CBが劣っているな』と言われないようにしたい」と力を込めた。

 相手ゴール前でプレーする機会が減ることは間違いない。だが、「攻撃は確かに好きでやりたい気持ちはありますけれども、セットプレーとかは獲れると思うし、チームの役に立てるところだと思う。去年の(流通経済大柏高CB)関川(郁万)選手みたいにチームを助けるゴールを決めることは可能だと思う」。セットプレーの一回一回に集中し、チームを救うゴールを決めるつもりだ。

 まだまだ先輩たちに並ぶ存在にはなっていないが、彼らを越える存在になる可能性は十分。今年、全国優勝して「エンブレムの上に星をつけたいというのが目標になっています」という奈良坂は経験を重ねながら、成長を遂げて昨年の柱だった2人の存在を払拭する。

(取材・文 吉田太郎)

TOP