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[プレミアリーグWEST] “苦手”C大阪U-18を攻略!タフなゲームで走り続けた東福岡が開幕白星!

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後半28分、東福岡高MF國府田駿が先制ゴール

[4.6 プレミアリーグWEST第1節 C大阪U-18 0-2 東福岡高 ヤンマースタ]
 
 東福岡がアウェーで難敵撃破―――。高校年代最高峰のリーグ戦、高円宮杯 JFA U-18サッカープレミアリーグ 2019WESTが6日に開幕。セレッソ大阪U-18(大阪)と東福岡高(福岡)との一戦は、後半の2得点によって東福岡が2-0で勝った。

 東福岡にとって、昨年のプレミアリーグで唯一連敗した相手がC大阪だった。その難敵との開幕戦。MF松本凪生(3年)やDF陣を中心に、C大阪の主力の多くがU-23チームに合流して不在だったことは確かだが、東福岡はスピード感、強度も高く「頭も疲れたと思います」(森重潤也監督)というゲームで見事に勝ち切った。

 ヤンマースタジアム長居での一戦は互いにパススピード、攻守の切り替えの速い一戦に。クラブの方針として、今年は後方からのビルドアップにチャレンジしているC大阪は最前線で身体を張ってボールを収めるFW藤尾翔太(3年)やFW西村真祈(3年)を活用して前進すると、1タッチのパスを交えて次々と東福岡の背後を狙っていく。

 前半18分には強引にDFと入れ替わった西村が、そのままPAへ潜り込んでポスト直撃の左足シュート。また、前線で強烈な存在感を放っていた藤尾が、しなやかな動きでDFを振り切ろうとする。東福岡は幾度か打開されそうになりながらも、対人自慢のCB丸山海大(3年)が最後の一歩で何とか相手の仕掛けを乱し、CB大串啓太郎(3年)がカバーするなどゴールを死守していく。

 また、個々が運動量多く守備のタスクを実行していた東福岡は、相手のビルドアップのミスを誘発。司令塔のU-17日本代表候補MF荒木遼太郎主将(3年)の展開力を活かし、サイド攻撃へ持ち込む。そして、スルーパスで抜け出したMF青木俊輔(2年)の決定的な左足シュートや、クロスのこぼれに走り込んだ荒木のシュートなどでC大阪ゴールを脅かした。

 前半から目いっぱいの45分を送っていた東福岡には、疲労の色も見えていた。だが、彼らは後半の時間が経過していくにつれて、自分たちが主導権を握る時間を増やして行く。C大阪は運動量が低下し、ビルドアップのミスが増加。C大阪の海本慶治監督は、ビルドアップでのミスが出ていたことについて、「まだまだ足りないことがたくさん。日々の取り組みで積み上げていかないといけない」と力不足を認めていた。

 そして、守備の時間が増えたC大阪は、サイドからラストパスにまで持ち込まれていた。それでも、CB小澤希海(2年)や左SB松本健将(2年)らDF陣がゴール前で見せていた責任感の強さはさすが。彼らは相手のシュートコースを切り続け、ラストパスを必ず身体に当てて危険なシュートを打たせない。

 だが、後半15分にMF遠藤貴成(2年)とFW岐部総志郎(3年)を同時投入して仕掛けのテンポを上げた東福岡がC大阪ゴールをこじ開ける。後半28分、東福岡は敵陣でボールを奪い返した荒木がMF上田瑞季(2年)へパス。そして、中央の上田がDFのマークを外して右前方のMF國府田駿(3年)へボールを通す。最後は縦へ持ち出してDFをかわした國府田が、右足シュートをゴールに突き刺し、待望の先制点をもぎ取った。

 その後もサイドからの崩しでゴール前のシーンを作り出した東福岡は35分、左中間でボールを持った上田が強引にPAへ潜り込んで左足シュートを打ち切る。GKに弾かれたボールを岐部が1タッチで押し込んで2-0とした。

 C大阪も反撃するが、東福岡は荒木が身体を投げ出してボールを奪うなど、相手をゴールに近づけない。國府田が「運動量とかヒガシの方が多くて走りきれたと思います」と振り返り、C大阪の海本監督も「良い選手が多くて、走れるチームだと思いました」と評した東福岡が後半のシュート数12対2で走り勝った。

 東福岡の森重監督は「相手が苦手なセレッソでしたし、開幕戦を獲れたことは今後に向けて大きい」と語り、國府田も「始まる前はセレッソが格上だと思っていて、開幕戦ということもあって勝てば、本当に流れに乗れると思っていた。勝てて嬉しいです」と笑みを見せた。18試合のタフで長いリーグ戦は始まったばかり。昨年からの経験者が少なく課題もある東福岡だが、今後へ向けて選手たちの自信になる試合内容と勝ち点3となった。

(取材・文 吉田太郎)
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