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[プレミアリーグEAST]「内容はまったく」の清水ユースが白星発進! “3冠世代”青島太一が2得点

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2得点を決めた清水ユースMF青島太一(3年)

[4.7 プレミアEAST第1節 浦和ユース0-2清水ユース AGFフィールド]

 高円宮杯JFA U-18サッカープレミアリーグ第1節は7日、AGFフィールドで第1節2日目を行い、1試合目は清水エスパルスユース浦和レッズユースを2-0で破った。3バックと4バックを自在に使い分ける戦術が光り、新エース候補のMF青島太一(3年)が2得点。ジュニアユース3冠世代の3年生を中心に悲願の初制覇へ好スタートを切った。

 試合は立ち上がりから3-4-2-1でボールを回す清水ユースに対し、4-4-2でコンパクトなブロックを敷く浦和ユースが受け止めるという展開。開幕節の緊張からか両者ともに局面のコンビネーションがつながらない中、清水は前半10分、DF鈴木瑞生(3年)のロングスローからゴールに迫った。

 浦和も前半15分、MF玉城大志主将(3年)のセットプレーからチャンスを狙ったが、先に試合を動かしたのは清水。前半17分、右サイドのスローインから浦和の布陣を大きく押し込み、右サイドに走り込んだMF青島健大(2年)がダイレクトで折り返すと、青島太が巧みな切り返しから流し込んだ。

 1点ビハインドとなった浦和は最終ラインのDF遠藤龍河(3年)がボールを散らし、玉城とMF根岸恵汰(2年)のダブルボランチが相手のプレスを剥がすことで徐々に陣地を取り戻す。すると前半40分、根岸のパスを受けたDF福島竜弥(2年)が左サイドを突破し、大外へのクロスを送ったが、FW山中惇希(3年)のボレーは枠を外れた。

 0-0で迎えたハーフタイム明け、清水は前半終了間際に負傷したDF西島隆斗(3年)に代わって3バックの中央にDF田中芳拓(2年)を投入。一方の浦和は2トップの一角に入っていたMF盛嘉伊人(2年)がトップ下の位置にはっきり下りるようになり、ボランチとともにギャップを突いてチャンスを狙った。

 浦和は後半16分、山中と根岸を下げてMF佐藤優斗(2年)とFW堀井真海(2年)を投入。すると同22分、佐藤のロングスローを遠藤がフリックし、FW波田祥太(3年)が右足シュート。ボールはGK石井飛雄馬(3年)の正面に飛んだが、早速チャンスをつくった。清水はその後、DFノリエガ・エリック(3年)が高いヘディングで好守を見せた。

 清水は後半25分ごろからフォーメーションを4-4-2に変更。右ウイングバックのDF川本梨誉(3年)が2トップの一角に入り、左ストッパーのDF林航輝(3年)が右サイドバックに回るなど、選手交代なしに戦術を変えた。すると同35分、ゴール前に突破したFW山崎稜介(3年)のパスから青島太が2点目を決め、試合を決定づけた。

 守っては負傷したディフェンスリーダーの代役となった田中が素晴らしいボール奪取とカバーリングを見せると、ダブルボランチのMF成岡輝瑠(2年)とMF五十嵐海斗(3年)も崩れず。最後はMF荒木亮輔(3年)とMF丸山優太朗(3年)を投入しながら時間を使い、危なげなく試合を締め切った。

 2点差での完勝劇を演じた清水だったが、「内容はまったくだった」と振り返った平岡宏章監督。川本と鈴木の両ウイングバックを活かすための3-4-2-1システムは機能しなかったという見解で、「うまく修正してやっていくのか、残り20分間でやった4-4-2にしていくかはこれから」と今後の展望を明かした。

 周囲からは“3冠世代”という注目も集まるが、他のユースや高校チームは高校年代での加入組が戦力となっていることに触れ、「甘くないというところが全て」と油断せず。「3冠取ったのは経験として大きい。粘り強くやれているところに活きている」。勝ち切った手応えと伸びしろを胸に、着実に進化を遂げていく構えだ。

(取材・文 竹内達也)
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