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[プレミアリーグEAST]選手権決勝と同カード…「またイチから」の青森山田、開幕節で流経大柏を撃破!!

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青森山田高MF武田英寿(3年)は選手権決勝に続けての流経大柏撃破

[4.7 プレミアEAST第1節 流通経済大柏高0-2青森山田高 AGFフィールド]

 高円宮杯JFA U-18サッカープレミアリーグ第1節は7日、AGFフィールドで第1節2日目を行い、2試合目は青森山田高流通経済大柏高が対戦した。奇しくも今年1月に行われた全国高校選手権決勝と同カード。昨季の全国を制した青森山田が2-0で勝利し、王者の威厳を見せつけた。

 試合はともに4-4-1-1のような布陣でスタートしたが、主導権を握ったのは青森山田高。トップ下に入るMF武田英寿(3年)が中盤の低い位置まで顔を出し、ダブルボランチのMF古宿理久(3年)、MF松木玖生(1年)とともに試合を組み立てる。対する流通経済大柏高は人に付くディフェンスで食い止めようと試みた。

 先にビッグチャンスを迎えたのは流経大柏だった。前半8分、自陣からロングカウンターを開始し、DF小山開世(3年)が右サイドから前方にフィードを送ると、抜け出したのはFW渡會武蔵(3年)。相手のクリアミスに乗じてボールを奪い、エリア内までドリブルで仕掛けたまでは良かったが、MF後藤健太(3年)に止められた。

 青森山田は前半9分、松木のロングフィードから後藤が右サイドを突破したが、クロスはオフサイド。同17分にはゴール正面のFKを武田が左足で狙うもクロスバーに阻まれた。それでも同31分、ようやく試合を動かした。DF箱崎拓(3年)のロングキックに相手GKが連携ミス。抜け出した後藤が角度のないところから無人のゴールに流し込んだ。

 青森山田は前半39分、DF内田陽介(2年)のロングスローがゴール前を襲い、波状攻撃からDF藤原優大(2年)、DF神田悠成(3年)が立て続けに狙うも枠外。流経大柏は同41分、ロングキックからまたしても渡會が抜け出し、相手のヘディングミスを拾って左サイドを切れ込んだが、左足シュートはサイドネットに当たって決定機を逸した。

 ハーフタイムが明けると、流経大柏が大きく持ち直す。後半11分、MF八木滉史(3年)のロングスローをニアでFW新宮海渡(2年)がフリック。ファーに流れたボールをFW森山一斗(2年)が受けたが、クロスからのDF藤井海和(2年)のヘッドは枠外。同13分にはこぼれ球を拾ったMF大西悠介(3年)がボレーで狙うも、これも大きく左に外れた。

 そこからはインテンシティーの高い展開が続く中、互いに交代選手を立て続けに起用。青森山田がFW古澤ナベル慈宇(2年)を入れると、流経大柏はFW佐々木吏大(1年)、FW橋本清太郎(1年)のルーキーコンビを投入した。その後は流経大柏が一方的に攻め立て、ほとんどハーフコートゲームの形勢となった。

 流経大柏はさらにDF大田原蓮(1年)も投入。ところが青森山田は後半42分、カウンターの応酬から古宿がインターセプトを見せると、敵陣深くまで攻め込んで古澤にプレゼントパス。これをなかなか見せ場の作れなかった古澤が股抜きシュートで決め切り、リードを2点に広げた。試合はそのままタイムアップ。青森山田が2-0で勝った。

 これで選手権に続いてのライバル撃破。だが、青森山田の黒田剛監督は「メンバーが代わっているので『またイチから』ということで意識していなかった」という。この日の先発で決勝に先発したのは武田のみ。新たなチームで「まずは残留を狙って一つでも勝ち点が取れるよう、謙虚に戦っていきたい」と意気込んでいる。

 もっとも、この日の気温が20度を上回っていたのに対し、地元青森は「ついこの前まで吹雪が続いていた」ようなコンディション。消耗は相手チーム以上で、ここから徐々に順化も進んでいくとみられる。そうした試合で先制点、追加点を取れたのは「理想どおり」(黒田監督)。3年ぶりの王者奪還に向けて、高校王者が上々のスタートを切った。

(取材・文 竹内達也)
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