beacon

[MOM2835]清水ユースMF青島太一(3年)_「トップに呼ばれても力になれるように」“3冠世代”を導く2発!!

このエントリーをはてなブックマークに追加

2得点を決めた清水ユースMF青島太一(3年)

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[4.7 プレミアEAST第1節 浦和ユース0-2清水ユース AGFフィールド]

 “3冠世代”のテクニシャンが違いを見せつけた。清水エスパルスユースMF青島太一(3年)は2016年、清水ジュニアユースが全国3大タイトルを総なめした時の主力メンバー。時は流れて高校最高学年となった今季、最初の公式戦である高円宮杯プレミアリーグEAST開幕節で全2得点を挙げ、2019年のスター候補に名乗りをあげた。

「中学の時から3冠と言われていて、みんな気にしていることは気にしているけど、そういうのはすべて『勝つ』という気持ちに変えてプレーできると思う。ゴール前で簡単にシュートを打たせなかったり、ゴール前で点を取ったりして、『勝つ』という気持ちがある。そういう『勝ち切る』という気持ちが大事になる」(青島)。

 清水ジュニアユースは2016年、中学3大タイトルとされる春のJFAプレミアカップ、夏の日本クラブユース選手権(U-15)大会、冬の高円宮杯全日本ユースU-15選手権のすべてで優勝。サッカー王国の威信を全国に知らしめた。当時の3年生が現在の高校3年生。9人が現在も清水ユースに所属している。

 これらの選手たちは下級生の時から出番を掴み、昨季は日本クラブユース選手権(U-18)大会の16年ぶり優勝、Jユースカップ準優勝に大きく貢献。そうして迎える今季はいよいよ最上級生となり、「全タイトルを取る気持ちでやっている」(青島)と高校年代でも黄金世代の称号を得ようとしている。

 その出世頭とも言える青島はこの日、浦和ユースとのプレミア開幕戦で宣言どおりの結果を残した。まずは前半17分、右サイドを駆け上がったMF青島健大(2年)のダイレクトパスに反応すると、向かってくる相手をワントラップでかわしてシュート。GKの動きを冷静に見抜いたファインゴールで先制点を導いた。

「来ていたのが分かっていたので、ファーストタッチで入れ替われると思ったし、ファーストタッチで『勝ったな』と思った」。

 さらに1-0で迎えた後半36分、今度は中学時代からコンビを組んできたFW山崎稜介(3年)との連係からゴールを射抜いた。「目指しているのは滝選手(FW{{滝裕太)))。背も同じくらいでプレーも似ているし、ドリブルだけじゃなくシュートもできる」。そう仰ぐ先輩がJの舞台で見せたプレーを思わせるようなワンタッチゴールだった。

 年上選手にライバル意識を燃やすように、自身に求めるハードルは高い。シーズン開幕前はトップチームのキャンプに帯同していたが、「自分の良さをピッチ内で表現する部分が足りなかった」と課題を認識。「ユースでは誰にも負けないくらい圧倒しないとトップでは通用しない」と先を見据えている。

 また、そのトップチームは現在J1リーグ最下位。2種登録選手として出場資格がある以上、不調をただ悲しんでいるわけにはいかない。それどころか「トップに関われる環境にいるので、もし呼ばれても力になれるようにと自分の中で考えている」と、上の舞台で活躍する姿を現実的なものとして想像している。

 だからこそ、その日が来るまで目の前の試合で結果を出し続けるのみ。「得点やアシストを多くして、チームとして勝ち続けるのはもちろん。それに加えて目に見える結果を意識して戦っていきたい」。自らのキャリアを左右する2019年。“3冠世代”のエース候補は勝者のメンタリティーと共に、栄光に満ちた1年間を過ごすつもりだ。

(取材・文 竹内達也)
●高円宮杯プレミアリーグ2019特集

TOP