[4.7 プレミアリーグWEST第1節 神戸U-18 2-1 広島ユース ヤンマースタ]

　個々が成長してトップチームへ昇格すること、ユースチームの伝統を繋ぐことを意識している。昨年、プレミアリーグWESTとファイナルを制して「高校年代真の日本一」に輝いたサンフレッチェ広島ユースは、今季のWEST初戦で神戸U-18に1-2で惜敗。各チームからターゲットにされている王者は、黒星スタートとなった。

　前半はらしさがなかった。神戸の精度高いパスワークに対して寄せ切ることができず、ボールを支配される時間が続いてしまう。そしてCKで相手CB東田正樹(3年)を走らせてしまい、失点。MF山内翔(3年)にミドルシュートを決められたシーンも中盤にぽっかりと空いたスペースを活用されたものだった。失点直前のプレーも含めて反省だらけの前半。それでも、ハーフタイムに今までチームとしてやってきたことを再確認した広島は、守備からチームを立て直して後半にペースを握り返す。

　2点をリードした相手が受け身になったこともあったが、広島はパスを繋ぎながら前へ、前へ出る特長を発揮する。特にポジション変更に伴い、組み立てに集中できるようになったU-18日本代表MF土肥航大主将(3年)のプレーが安定。また、3バックの一角からシャドーの位置に出た細谷航平(3年)がボールに多く絡むことでチャンスの数が増え、セカンドボールの回収率も向上した。

　13分には細谷のラストパスからエースFW鮎川峻(3年)が冷静にDF、GKを外してシュートを決めて1点差。その後も波状攻撃を繰り出した広島は前半のシュート2本から後半は9本まで伸ばしたが、ここぞのシーンでクロスのミスが出たり、決定機なシュートをGKに止められてしまうなど「あと1点」を決めきることができずに競り負けた。
　
　後半は多くの時間帯で神戸を自陣に釘付けにするなど前向きな内容。それでも、沢田謙太郎監督は「負けは負け」と首を振り、「アグレッシブさが大切。そこを出せるようにと思っています」と語った。

　土肥は「練習から球際の部分とかしっかりとやっていきたい。最初なので、去年も初戦(神戸U-18に0-1で敗戦)はこんな感じでしたし、ここから這い上がれると思うので、一戦一戦大事にして戦っていけたらと思っています」とコメント。自分たちが日常からやるべきことを貫けば、必ず結果を引き寄せることができる。先輩たちに負けない情熱を持って日常から取り組み、這い上がっていく。

　目標は連覇。先輩たちが築いてきた「強いサンフレッチェ広島ユース」を自分たちも後輩たちに繋いでいく覚悟がある。土肥は「伝統は大事。(連覇は) 自然と意識されますね　。去年も優勝しているので連覇したいです」と誓った。まずは目の前のトレーニングに集中。王者は次戦のホーム、C大阪U-18戦から巻き返す。

(取材・文　吉田太郎)

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