[5.10 関東高校大会山梨県予選決勝 日本航空高 0-1 韮崎高 中銀スタ]

　5年ぶりの山梨制覇を果たした韮崎高のゲーム主将、MF佐野太亮(3年)は「自分たちはスタメンだけでなくて、サブも力のある人がいる。誰が出ても勝負できるのが今のチームの強みだと思います」と説明する。

　関東大会予選では昨年のチームから攻撃の柱を担っていたMF名執龍一(3年)を欠き、開幕後にもCB雨宮修真主将(3年)が怪我で先発から外れた。それでも穴を埋めた選手を含めて個々がチームのために特長を発揮して優勝。その中で存在感ある動きを見せた佐野は、決勝でもボランチの位置からのドリブル、パスで攻撃を組み立てながら、サイドの局面でトリッキーなドリブルにもチャレンジするなどアグレッシブなプレーを見せていた。

　そして、守備面でもボランチでコンビを組むMF真壁龍輝(2年)らとともにプレスバック、セカンドボールの攻防で奮闘した。「もうちょいボールにかかわる回数を増やして、守備の面でもハードワークできるようにしたいです」と佐野。連戦の疲れがあって決勝は納得の行くプレーではなかったが、チームのアクセントとなる存在は今後、攻守でよりボールにかかわり、チャンスの数を増やす。

　チームに良い流れを生む存在として期待の佐野は、一撃必殺の武器を持っている。県新人戦優勝校・帝京三高との準決勝で決勝FK。後半6分に左中間から右足で「狙い通りです」という鮮やかな一撃を決めた。決勝では「アップから調子が良かったので来て欲しかったです」という直接FKの機会がなかったものの、関東大会やインターハイ予選ではチームの武器の一つとなっている彼の右足にも注目だ。
　
(取材・文　吉田太郎)