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[MOM2869]韮崎MF笹本侑(2年)_交代出場MFの“シュータリング”が優勝ゴールに

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後半39分、韮崎高MF笹本侑の“シュータリング”がそのままゴールに吸い込まれた

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[5.10 関東高校大会山梨県予選決勝 日本航空高 0-1 韮崎高 中銀スタ]

 チームメートの思いを乗せた一撃が、“幸運な”決勝点となった。韮崎高はアディショナルタイム突入1分前の後半39分、右サイドでボールを持った交代出場MF笹本侑(2年)が、前を向いて右足を振り抜く。舞い上がったボールはGKの頭上を越えてそのままファーサイドのゴールネットへ。このゴールが韮崎を5年ぶりとなる山梨制覇へ導いた。

 笹本は「自分のゴールだけじゃないという感じですね」と微笑む。狙ったのは「クロスです」。GKとDFの間へ蹴り込んだというボールは、そのまま伸びてゴールイン。笹本には自分が決めたという実感よりも、むしろ後半終盤にギアを上げて攻めていたチームメートの勢いが「決めさせてくれた」という感覚を持っていた。

 今村優貴監督が全員で勝ち取った優勝であることを強調していたように、韮崎の全選手がヒーロー。その中、0-0の勝負どころで投入された2年生MFは、紙一重の勝負でチームに“幸運”と歓喜をもたらした。

 韮崎は今大会の準々決勝、準決勝と先発11人で80分間を戦ったが、決勝では後半27分に最初の交代カードとして笹本を投入。「連戦でみんな疲れていたので、そこでチームを勢いづけるという意味でも自分が走ってゴールを決めてやるという思いが強かったです」。覚悟を持ってピッチに立っていた笹本は決勝ゴールを決めると、ベンチでともに戦っていたサブ組の選手の輪に飛び込み、抱擁を繰り返していた。

 前線でボールを収めること、周りを活用することを得意とするMFは6月の関東大会へ向けて、「山梨県代表として、1位として臨むんですけれども、他の学校も自分たちよりもレベルは上で自分たちも挑戦者だと思うので、チャレンジャー精神を持ってやっていきたいと思っています。(個人としては)次もゴールを決められるように、チームを救えるように頑張りたいです」。再びチームメートたちを笑顔にするために、まずは練習でアピールしてチャンスを掴む。
 
(取材・文 吉田太郎)

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