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[SBS杯]後半アディショナルタイムに長谷川が“VAR弾”!静岡ユースがU-18コロンビア代表撃破!

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後半アディショナルタイム、静岡ユースMF長谷川夢作(磐田U-18)が右足で決勝ゴール

[8.8 SBS杯 静岡ユース1-0 U-18コロンビア代表 藤枝総合]

 静岡ユースが“VAR弾”で強敵撃破! U-18日本代表とU-18ベルギー代表、U-18コロンビア代表、そして静岡ユース(静岡県高校選抜)が優勝を争う2019 SBSカップ国際ユースサッカーが8日に開幕した。第1節で静岡ユースとU-18コロンビア代表が対戦。静岡ユースがMF長谷川夢作(磐田U-18)の決勝点によって1-0で勝った。

 劇的な決勝点は、今大会で導入されているビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)によってもたらされた。後半アディショナルタイム突入後の42分、静岡は前線でキープしたFW三木直土(磐田U-18)のスルーパスから長谷川が右足シュートを放つ。この一撃がGKの脇を抜けてゴールを破ったが、オフサイドの判定。それでも、VARからの助言を受けた西村雄一主審がピッチ脇のモニターで該当シーンを確認した結果、ゴールを認め、静岡イレブンが歓喜に沸いた。

 静岡ユースはいずれもプレミアリーグEASTに所属する清水ユースと磐田U-18の選手にJFAアカデミー福島U-18と高体連の静岡学園高、藤枝東高の選手を加えた構成。コロンビアには大型FWブライドン・カイセード(アトレティコ・ナシオナル)や10番MFダイラン・ボレロ(インデペンディエンテ・サンタフェ)ら目立つ選手がいたが、静岡はグループ、個でも強豪に対抗する。

 相手の攻撃の起点を複数の選手で囲い込んで奪い切るなど好守の光る静岡ユースは、幅を広く使った攻撃を展開する。そして、前半に抜群の存在感を示した右MF松村優太(静岡学園高)が仕掛け、突破を連発。スルーパスや相手のミスからFW植中朝日(JFAアカデミー福島U-18)やMF青島太一(清水ユース)が決定的なシュートを打ち込むが、コロンビアは最後の局面でボールをかき出して得点を許さない。

 静岡の加藤慎一郎監督はコロンビアの印象について、「南米の選手特有のフィジカルと言うか、アプローチも日本の選手は止まってしまうんですけれども、もう一歩グッと寄せてくる。その一歩の差を凄く感じました。(的確にスペースを狙う攻撃含めて)こういう相手と対戦することができた選手たちにとっては良い経験になったと思います」とコメント。選手たちは、ハーフタイムにその強敵を絶対に倒すことを確認し合って後半を戦った。

 長時間の移動と暑さによって、コロンビアは運動量を増やすことができない。それでも、相手の守備の薄い部分を狙う目と個のスピード、パワーを活かしてチャンスを作り出してくるコロンビアは、後半15分にVAR判定の末、PKを獲得。だが、静岡はFWセサル・アイダール(アトレティコ・ジュニオル)の左足シュートをGK杉本光希(磐田U-18)が左手一本で止めてコロンビアの流れを断ち切る。

 静岡はCB西島隆斗(清水ユース)が的確な守備を見せ続け、パートナーのCBノリエガ・エリック(清水ユース)も対人守備やシュートブロックで奮闘。静岡の選手たちは切り替え、アプローチが速く、大柄な相手に身体をしっかりとぶつけながら良く守っていた。そして、左MF川本梨誉(清水ユース)のクロスなどから決定機。なかなかチャンスを活かすことができなかったが、諦めずに攻め続けた。

 そして、アディショナルタイムに劇的な決勝点。静岡・加藤監督が「選手たちが非常にハードワークして、最後の最後まで得点を獲りに行って勝利を収められた。非常に良い勝利だったと思います」と語り、コロンビアのエクトル・カルデナス監督も「静岡のチームがサッカーのスタイルと強さでこの試合で存在感を発揮したと思います。静岡の選手全員が素晴らしいプレーをしたと思います」と評した戦いによって、静岡が強豪・コロンビアに1-0で勝ち、8年ぶりの優勝へ弾みをつけた。

(取材・文 吉田太郎)

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