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[MOM3086]鳥栖U-18MF本田風智(3年)_トップ昇格MFが決勝点!効果的だったPAへ飛び出す動き

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サガン鳥栖U-18MF本田風智は効果的な飛び出しでチャンスメークし、決勝点も

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[12.13 プレミアPO1回戦 鳥栖U-18 1-0 徳島ユース 広域第一]

 今年、プリンスリーグ九州で得点王とアシスト王の2冠。トップチームへの昇格が発表されたばかりの頼れるエースMF本田風智(サガン鳥栖U-18、3年)が、徳島ユースとの一戦でもきっちりチームを勝利に導く仕事をこなした。

 前半から3本のシュートを放ちながらも、長い芝に苦しんで思い通りに動けなかったが、ピッチに慣れた後半からは、「前半はリズムに乗れない感じがあったけど、後半は身体が動き出した。1点獲れれば勝てると思っていたので、自分が獲ってやろうという気持ちでプレーした」とゴールへの意識を強めた。

 効果的だったのは、シャドーの位置からPAへ飛び出す動きだ。「点を狙いに行くためにでもあるのですが、チームが楽になるためには自分が走ろうと意識していた」とPAの角にタイミングよく飛び出し、チャンスを作った。

 後半6分には、FW田中禅(2年)のパスから、MF盧泰曄(3年)がPA右へ侵入。ゴール前に入ったボールに反応した本田が倒され、PKを得た。自らキッカーに名乗りを挙げた本田は、冷静にキックを沈めて先制点。その後は少し引き気味のスペースでボールを受けて、配球側としての仕事を増やした。状況に応じた役割を冷静にこなした本田の活躍もあり、チームはそのまま勝利。悲願のプレミアリーグ昇格に一歩前進した。

 今年のチームは当初、MF松岡大起(3年)がキャプテンだったが、トップチームへの帯同が続いたため、急遽本田が代役を任された。「声で引っ張るのは大事だと思うけど、得意ではない。自分の良さであるプレーで引っ張っていこうと思っていた」と話す本田は、ゴールへの積極性を高めることでチームをけん引。働きが評価され、5月のルヴァンカップでは2種登録選手としてプロデビューを果たした。プロの世界でも、技術面では手応えを感じたが、「走れないと今のサッカーはどれだけ上手くてもやっていけない」と走力が課題だと痛感した。そこからは、「トレーニングでも試合でも、きつい時に何ができるか考えて意識した」という。

 この一年での成長は明らかで、田中智宗監督は「どっちか言うと自分のことはやるタイプで、人に発信するタイプじゃなかったけど、自分がやらなければという気持ちが出た。特に松岡が抜けてからは頼もしくなったし、グッと成長してくれた。今年一年、彼が大車輪の活躍をしてくれたのがチームにとって大きかった」と評価する。

 成長を後押しした鳥栖U-18でプレーするのも、残り1試合だ。「プレーオフに挑むのは3度目なので、参入しか頭の中にない。今は良い雰囲気でやれているので、この勢いのまま次の試合に挑みたい」と話す通り、プレミア昇格を置き土産にし、プロの舞台へと旅立つつもりだ。

(取材・文 森田将義)
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