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攻守に一体感!横浜FMユースが札幌U-18振り切り、17年以来のプレミア復帰!

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横浜F・マリノスユースがプレミアリーグ復帰を決めた

[12.15 プレミアPO2回戦 横浜FMユース 1-0 札幌U-18 広島一球]

 横浜FMユースがプレミアへ! 高円宮杯 JFA U-18サッカープレミアリーグ 2020への出場権を懸けたプレーオフ(参入戦)の2回戦が15日に広島県内で行われ、プリンスリーグ関東2位の横浜F・マリノスユース(神奈川)とプリンスリーグ北海道王者の北海道コンサドーレ札幌U-18が激突。前半44分にDF木村惠風(2年)が奪った1点を守り切った横浜FMが1-0で勝利し、17年以来3年ぶりのプレミアリーグ復帰を決めた。

 昨年はプレーオフの2回戦で先制しながらも、尚志高に逆転負け。「昨年はあと一歩のところで負けた。悔しい経験をした選手もいるので、今年はしっかりつかみ取ろうと話してきた」(筒井紀章監督)横浜FMがリベンジを達成し、歓喜に沸いた。

 前半2分に高い位置でのボール奪取からFWブラウンノア賢信(3年、トップチーム昇格)がゴールを狙うなど立ち上がりから横浜FMはアグレッシブな守備を披露。攻撃でも、後方から落ち着いてボールを動かし、MF植田啓太(2年)の配球を合図に右のMF松田詠太郎(3年、トップチーム昇格)と左のFW津久井匠海(2年)が果敢な仕掛けを見せた。

 しかし、松田が「ボールを持っても2人で挟んだり、組織で守られてしまった」と振り返る通り、DF東潤太(2年)を中心に組織で対応した札幌の守備を崩しきれない場面が続いた。だが、前半終了間際の44分に植田がゴール前に上げた左CKをDF木村惠風(2年)がドンピシャヘッド。均衡を崩した。

「点が入らない時に1点が獲れたのは大きかったし、時間帯も良かった」。松田がそう振り返る一撃で嫌な流れを断ち切った横浜FMは、後半も攻撃の手を緩めない。5分にはブラウンノアのパスから松田がPA右を抜け出し、フリーでシュート。8分にもMF石井宏育(3年)のパスから松田がゴールを狙ったが、GK山本透衣(3年)のセーブに阻まれた。23分にはブラウンノアの放ったPKが、クロスバーに嫌われるなど果敢にゴールを狙いながらも、追加点は遠かった。

 終盤には、「最後はシュートで終わるのが大事。前線からプレスをかけて、相手が戻る前に仕掛けようと狙っていた」(MF本間洋平、3年)札幌にもチャンスが訪れた。35分には相手ゴール前でボールを奪ったFW深道也麻人(3年)が密集を抜け出し、ゴールを狙ったが、横浜FMGK加藤陽向(3年)が防いだ。試合はそのままタイムアップを迎え、横浜FMが勝利。決勝点を奪った木村は、「タフな試合になり、厳しい場面もあったけど、しっかり一体感を持って戦えた結果が勝利に繋がった」と勝因を口にした。

 昨年の雪辱を晴らす原動力となったのは、チームの一体感だ。この日のプレーにも、一体感は表れており、ボールを奪われたら素早く前線の選手が守備に奮闘。攻撃の際は、左SB池田航(3年、トップチーム昇格)と右SB日隈雄作(3年)が高い位置まで攻め上がるなど全員が攻守両面で戦い続けた。筒井監督も「後ろの選手だけでなく、前線の選手も守備をしてくれる。攻撃も後ろの選手が出ていく。一体感がプレーに出ていた」と口にする。

 精神面でのまとまりも見逃せない、プリンスリーグ関東第16節のFC東京U-18戦と第17節の矢板中央高戦は大敗したが、「チームに雰囲気に嫌な雰囲気が流れたけど、そこからまた全員がまとまり、”プレミアに行くぞ”とスイッチが入った」(木村)。今回のプレーオフも1回戦・帝京長岡高(北信越1/新潟)戦では先制点を許す展開となったが、4点を奪って逆転勝ち。木村が「点を獲られたことで気持ちが刺激された」と振り返る通り、逆境に追い込まれたことが、チームの団結力を高める結果となった。

 プレミアリーグの舞台に復帰する来年はより厳しい戦いが待ち受けるが、苦しい経験を乗り越えた経験は必ずプラスに働くはず。「こういう経験をしたからには、チームを引っ張っていける選手になりたい」と話す木村を中心にまたチーム一丸となって、勝利を目指しに行く。

(取材・文 森田将義)
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