beacon

大津に“5発返し”。桐光学園が全国ルーキーリーグ交流大会初優勝!

このエントリーをはてなブックマークに追加

桐光学園高が「2019年度 ミズノ 全国ルーキーリーグ交流大会」を制した

[12.23 全国ルーキーリーグ交流大会決勝 桐光学園高 5-1 大津高 時之栖うさぎ島G]

 桐光学園が圧巻の5発V! 全国9地域のルーキーリーグ(U-16、高校1年生大会)の上位16チームが優勝を争った「2019年度 ミズノ 全国ルーキーリーグ交流大会」は23日、決勝戦を行い、桐光学園高(関東2/神奈川)と大津高(九州1/熊本)が激突。桐光学園が5-1で快勝し、初優勝を飾った。なお、桐光学園のCB馬場拓己が大会MVPに選出されている。

 夏のインターハイで日本一に輝いている桐光学園が今年、“2つめの全国タイトル”を獲得した。予選リーグから4連勝で迎えた決勝の対戦相手は九州王者の大津。昨年度の選手権1回戦で先輩たちが0-5で敗れている相手だ。FW三原快斗が「大津に絶対に借りを返すという気持ちでやっていた。1年全員でずっと『ルーキー全国獲る』と言っていたので、気持ちでまずどのチームよりも勝てたと思います」と明かしたように、そのリベンジの思い、日本一に懸ける思いも持って戦った桐光学園が大量5得点を奪った。

 序盤からスピードのあるパスを次々と繋いでサイド攻撃を繰り出す桐光学園は前半16分、ゴール前でボールを受けたMF鹿取勇斗が「一回右に食いつかせて、(DF)2枚いたので一気に左に行って抜こうと思っていました」と変化をつけたドリブルでPKを獲得。これを自ら右足で左隅に沈めて先制する。

 大津は前半、失点しないことを意識し過ぎたか、重心が重く、消極的な攻撃になってしまう。前半半ば頃からは、意図的に開けたスペースに人が入り込む形や、流動的なパスワークも見られたが、桐光学園ペースは変わらず。桐光学園は28分にもスピードのあるパスを繋いで左ハイサイドまで運ぶと、最後は左SB寺内倖大のグラウンダークロスをFW田中英泰が1タッチで決めて2-0とした。

 桐光学園はさらに32分、カウンターからMF岩根裕哉が推進力を持って中央突破。そして、鹿取とのコンビネーションでPAまでボールを運ぶと、最後は三原が左足シュートをゴール右に叩き込んだ。桐光学園は39分にも寺内のミドルシュートが相手GKのミスを誘って4点目。大量リードで前半を折り返した。

 桐光学園は今大会、Aチームの主力でインターハイ優秀選手の岩根が1年生チームに合流。同じくAチームでプレーしてきた馬場や三原、岩根を中心に戦う桐光学園は、1年間を通して強度、ゴールを守ることへの執着心が上ったという守備面や得点力など強さを見せつけた。

 だが、前半を0-4で折り返した大津もこのままでは終わらない。U-16日本代表候補のMF森田大智やCB寺岡潤一郎、FW上塚蓮とプレミアリーグも経験している1年生も参加している大津は後半、ボールを繋ぐことを徹底し、守備の迫力も増すなど攻守両面でギアを上げる。

 後半立ち上がりに上塚が強引な仕掛けからPKを獲得。これをクロスバーに当ててしまったが、森田や上塚の鋭いドリブルも交えた攻撃で相手にプレッシャーをかける。だが、桐光学園は落ち着きのある守備で対応する馬場中心に、ゴール前で大津の攻撃を封鎖。逆に桐光学園は30分、岩根が右サイドから放った左足FKのこぼれを馬場が押し込んで5-0とする。

 大津は32分、森田の左FKを寺岡が頭で合わせて意地の1ゴール。その後も緩めることなく2点目を目指し続けたが、桐光学園はそれ以上の追撃を許さなかった。大津に5-1でリベンジして初優勝。桐光学園の1年生チームを指導した久保昌成コーチは、「(今日は)距離感とか相手の守り方を見て、プレーの判断を上手くできていた。(また、)ルーキーリーグを通して守備のところで我慢できるようになった。高体連の強さがついてきた」と語っていた。

 今後へ向けて久保コーチは「1年生(での活動)は今回で終わり。明日から新チームでスタメンを獲るためにやってもらいたい」と語り、視察に訪れていた鈴木勝大監督は決勝で目標を見事に実行した5得点への評価、課題となった1失点についての指摘をし、「先に進んで行く上で(目標値や課題を)クリアしていくことが大事。(今回の3日間で)Aチームに絡んでいく人材の見極めができた」と頷いていた。

 目の前の目標を果たした桐光学園だが、彼らの視線はもっと先を見据えている。馬場は「全国一番ですけれども、本当の戦いはこれからで選手権が一番だと思っているので、ルーキー優勝ということを自信に変えて選手権に向かっていきたい」。今回の自信を良い意味での力に変え、来年、そして再来年の選手権で“真の”日本一へ。課題を改善しながら貪欲にトップを走り続けることにチャレンジし、最大の目標を達成する。

(取材・文 吉田太郎)

TOP