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代表チーム相手に通用も感じた差。鹿児島県選抜U-18は「ちょっと」を埋めて“個人昇格”、全国制覇へ

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鹿児島県選抜U-18MF永吉飛翔(神村学園高)が突破を図る

[2.28 JENESYS青少年交流大会GS第3節 鹿児島県選抜U-18 1-2 U-19ラオス代表 指宿いわさきホテルサッカー場]

「JENESYS2019青少年サッカー交流大会」(鹿児島県指宿市)は大会3日目の28日、グループステージ最終節を行った。グループAの鹿児島県選抜U-18対U-19ラオス代表戦は2-1でラオスが勝利。ラオスはグループ2位で3、4位決定戦へ、鹿児島県選抜はグループ4位で7、8位決定戦へ進んだ。

 鹿児島県選抜は、今大会に出場予定だったFW福田師王(神村学園中)がU-17日本代表へ追加招集されたほか、けが人などが出ていた関係で急遽参戦することになったというMF濵屋悠哉(神村学園高、日本高校選抜)が唯一の高校3年生。その他はGKヒル袈依廉(鹿児島城西高、19年U-17日本代表候補)やMF永吉飛翔(神村学園高)ら高校2年生と高校1年生、そして中学3年生も3人が加わっている。鹿児島サッカーの今後を見据えて各年代から招集されたメンバー構成だ。

 前日の第2節でU-17マレーシア代表を破り、1勝1敗で迎えたこの日は立ち上がりからボールを支配。前半12分に自陣ゴール前での対応が乱れて先制されたが、再びボールを保持すると、PA付近では少ないタッチのパスワークで崩しにかかる。

 そして、永吉が左サイドから切れ込んでクロスを上げ切るなどゴール前のシーンを作り出すと34分、MF川原琉翔(鹿児島城西高)がPAへループパス。濱屋がタイミングの良い抜け出しから右足ループシュートを狙う。これはポストに嫌われたが、こぼれ球を拾った濱屋が自ら右足で決めて1-1とした。

 その後もボール支配は鹿児島県選抜。だが、ミスからピンチを招くシーンもあった鹿児島県選抜はクロスへの守備対応が甘く、後半14分に再び勝ち越されてしまう。鹿児島県選抜はこの後、濱屋や永吉、MF桑原滉(鹿児島城西高)やMF崎野隼人(鹿児島城西高)がシュートを連発。だが、コンビネーションなどで相手の守りを崩しながらもシュートが枠を外れ、またGKの正面を突いてしまう。最後まで2点目を奪えなかった鹿児島県選抜は1-2で試合終了を迎えた。

 Aグループ最下位に終わった鹿児島県選抜だが、彼らにとっては、貴重な国際試合。大久保毅監督は「フィニッシュの精度、ラストパス、守備もちょっとのところでやられてしまう。良い勉強になりました」と語る。

 U-17日本代表との初戦もパスワークで対抗し、相手の守りを崩すようなシーンは作っていたが、結果は1-7。接戦に持ち込むチャンスは十分にあったというだけに、チームはその差を思い知った。「紙一重が大きい、という話をしました。ちょっとしたところの壁が大きいね、と。今回経験した選手たちがチームに伝えて、レベルが上がれば良い」と大久保監督。今秋には地元・鹿児島県で国体も開催されるが、全国タイトルや“個人昇格”を目標とする選手たちは今大会で学んだ“ちょっと”の差を突き詰め、一つ一つのプレーにこだわっていく。

(取材・文 吉田太郎)

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