beacon

新生・帝京の攻撃のキーマン、MF市川颯馬。「ターニングポイントになった」“古巣”との戦い経て貪欲に努力

このエントリーをはてなブックマークに追加

新生・帝京高の攻撃のキーマン、MF市川颯馬

[2020シーズンへ向けて](※帝京高の協力により、アンケート形式で取材をさせて頂いています)

 新生・帝京高(東京)の攻撃の軸として期待されるMF市川颯馬(3年)には「差は感じたし、もっとやらなきゃいけないと思えるターニングポイントとなった試合」がある。それは昨年のプリンスリーグ関東第8節、アウェー・東京ガス武蔵野苑多目的グラウンドで開催されたFC東京U-18戦だ。

 FC東京U-15むさし出身の市川にとっては、“古巣”との戦い。「ジュニアユース時代の仲間が相手にたくさん居た中で、思っていたよりも自分の良さが出せたかなと思いました」。ただし、試合は0-1で敗戦。自分の現在地を知る機会となり、より成長を求めるようになった。

 市川の特長は左右両足での正確なキック、中、長距離からのシュート。また、キープ力も高く、「カットインからのシュートの形は凄く参考にしています」というブラジル代表MFコウチーニョスタイルのドリブルシュートでゴールを陥れる。

 本人はこの一年で「アタッキングサードでの攻撃のアイデアが増えたこと」を実感。また、1年時から怪我のために長期離脱していたが、その期間で肉体を強化させることに成功し、当たり負けせずにプレーできるようになっている。一方でFC東京U-18のようなプレッシャーの速い相手でもパスミスをせずにゴールに繋げることが課題。改善して「ゴールを常に意識して得点を量産すること」、そして全国大会に出場することを目指す。

 市川にとってのライバルは前橋育英高(群馬)のDF稲村隼翔(3年)。「幼稚園の頃からの知り合いで、小学校の頃の選抜、中学校時代も同じFC東京のジュニアユースで一緒にプレーした仲で、以前はポジションも近かったので、共に切磋琢磨していました。今は隼翔がCBをやっていると思うので、プリンスリーグでマッチアップするのが楽しみです」と真剣勝負する機会を待ちわびている。

 現在は新型コロナウィルス感染拡大の影響で休校中。チームも活動を休止しており、プリンスリーグ関東開幕は9月になる見通しだ。他の高校生同様、悩みを抱えながらの日々だが、ライバル・稲村との勝負や全国出場という目標のために自分と向き合って成長するだけ。マジメな性格も評価される市川は自宅練習で体幹、筋トレ、身体の使い方の向上に取り組み、「1日に一回はボールに触れる時間を必ず作るようにしています」という。苦しい時期でも進化を遂げて、“カナリア軍団”帝京を再び全国で躍動させる。 

(取材・文 吉田太郎)

TOP